仏教では根性の十階梯として次のものがある。これを十界という。
1 地獄
2 餓鬼
3 畜生
4 修羅
5 人間
6 天上
7 声聞
8 縁覚
9 菩薩
10 仏
点数1点の地獄から、10点満点の仏まで10の根性の階梯である。
その根性に応じて自分の世界(境界)が展開してくる。たとえば、地獄の鬼的根性の持ち主の周りに展開してくる世界、これが地獄である。餓鬼的根性の持ち主に展開してくるのは餓鬼世界である。
澄ました顔した紳士でもエッチなことを考えれば、その時そこで畜生の世界が展開する。
オリンピックで勝った負けたとやっているが修羅道の世界というわけである。
十の境界、そういう世界が現実に存在しているのではなく、そういう根性を持つ人が展開させていることを知らねばならない。つまり、人毎の世界なのである。
また、自分の根性はこれと決まったものではない。いろんなものを併せ持っていて、これを十界互具(じゅっかいごぐ)という。どの根性をどれだけむき出しにしているかである。
では仏界はというと、禅門に「一寸坐れば一寸の仏」という言葉がある。坐禅の時間を計るのに線香を用いるが、線香が一寸燃える時間坐禅すればその時間だけでも仏様だという。
ふつう、成仏というものを死んでからと考えたり、修行を何年もやってなしうると考えられたりするが、たとえ1時間でも1分でも坐禅や念仏の仏行を行じればいいのである。