十方世界共生山一法寺

自己の世界を建設しよう
 日本のことも世界のことも自分自身のこともみな自己の内のこと。

十日戎=えべっさんは耳が遠くて後ろ向き

2016年01月09日 | 俗信

初詣は全国どこでもあるが、商売の神様えべっさんは西日本が主流。特に商業都市である大阪において盛んのようである。

母親が助産所、助産院をしていたので、近くの大宮神社というところへ家族の誰かが必ずお参りし福笹を買ってきたものである。母親が仕事を辞めてからはその神社へは参っていないが、何年間か通勤の通り道にあった今宮戎は帰りに寄って雰囲気を楽しんだ。

福娘が大勢いて、愛嬌を振りまき、綺麗な娘を見るのが楽しい。TVで放送されるコンテストを見ることもあったが、「ああ、あの娘か」なんて眺めていた。

さて、戎さんを参拝する時に知っておかないと折角のお参りが空振りになる情報があるので、お知らせしておこう。

これは若い時から80歳の高齢になるまで巫女をしてきた祖母から教わった話である。巫女といえば今時は若い女性を連想されることが多いが家の婆さんはそこまでやってきたのかというと、探湯神事の名人だからである。笹の葉で釜の湯を参詣客に撒くのであるが、へたくそは自分の着物を濡らしてしまう。
濡らさずに遠くまで撒く。余人を以って代え難いのである。

若者は若い巫女がいいのだが、年配者は神事が大事というわけだ。

さて、その婆さんから教わったのは、「えべっさんは耳が遠い」。近頃の若い人は言わないが我が河内地方では耳の遠い人のことをえべっさんという。
つまり、これはよく知れたことなのであるが、知られていないのがえべっさんはお宮で向こう向いて坐っているというのである。つまり、参拝客に尻を向けているのである。
耳が遠くて向こう向き、黙って拝んでも駄目、小さな声でも駄目、大きな声を出さんとえべっさんは気づかない。大声で景気良くやらないと祈りは通じないのである。
今宮戎神社は後ろから拝めるようになっている。声の小さい人はそちらで拝んでみるのがいい。
福娘の顔を拝んで、えべっさんは後ろから拝むというのが私の今宮戎での参拝スタイルだった。近頃は全然行かないけれど・・・。


探湯神事の例
http://www.hirotahonsya.or.jp/gyoujipage/gyouji_7tuki.html

盟神探湯
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%9F%E7%A5%9E%E6%8E%A2%E6%B9%AF

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