十方世界共生山一法寺

自己の世界を建設しよう
 日本のことも世界のことも自分自身のこともみな自己の内のこと。

逆手教育

2016年02月26日 | 人生


母方の伯父は小学校の教師だったが、三十歳そこそこで結核で亡くなった。その伯父が持っていた本で「逆手教育」という本があって、若い頃愛読していた。
その本の著者は品川義介といって、戦前、北海道で問題児を預かり○○自由学校という寮制で農作業をしながら子供を矯正育成する学校を運営していた人である。
クリスチャンであったが、クリスチャンらしからぬ人で本のタイトルをみれば分かるように、変人と言っていい人物だ。

面白いことがいっぱいあったので今も憶えている。
どんな学校か、エピソードで一番印象に残っているのは「不死身の伝六」と呼ばれれる生徒のことだ。生徒仲間のボス的存在だが、ある時農作業中に別の生徒と喧嘩になった。喧嘩の強い方の伝六は余裕だが、弱い方は必死である。その子は夢中で持っていた鎌を振り回した。鎌の先は伝六の腹に突き刺さり、それを思い切り払ったものだから伝六の腹を引き裂いた。腸がズルっと飛び出してくる。伝六は「あっ、俺の腸が出てしまう」と言ってそれを手で掴んで腹の中へ入れ戻そうとする。
慌ててリアカーに乗せて病院へ駆け込んで、処置をしてもらったらしい。幸い腹膜が切れただけ腸に損傷なし。医者が腹の中を消毒し腹膜を縫合した。
明くる日に「もう、大丈夫」と退院してしまった。
それで付いた仇名が「不死身の伝六」、品川氏は己の物に対する執着心に感慨深くしたとのことだ。

何でこんな話を思い出したかと、清原が2日に覚醒剤所持で捕まったがそんなものに手を出すことの愚かさを自覚していなかったのか、それを教え、制止する人間が周りにいなかったのか、ということである。
野村克也元阪神監督は、清原の入団当時の西武の元監督森を批判している。人間教育ができていない。人間としての教育は監督の仕事だと言っているようだ。

品川氏はその本の中で人生における階梯として、近景、中景、遠景にそれぞれ人物を持っていなければならないと説いている。

近景的人物とは今現在において、自分がその相手のことをよく知っており、相手も自分を知ってくれている。何かことがあれば相談にのってもらえる人物である。
身近な人でもいいが、人生において指導をしてもらえる人を得たいという。
品川氏は徳富蘇峰と親密な関係にあったようである。
私でいえば内山興正老師ということになる。

中景的人物とは、既に亡くなってはいるが、その人の事績が分かっておりその生き方、考え方に共感する偉人のことである。
品川氏の中景的人物は、吉田松蔭ということだった。
私は道元禅師、河内の英雄、楠木正成だ。しかし、そんな生き方ができるか、できたかといわれると全然駄目だが、憧れではある。
憧れもないとなると、どうしようもない。

遠景的人物とは、釈迦、孔子、イエスといった聖賢、この遠景的人物を持たないと人間深みがない、奥行きが足りないということだ。
私は勿論釈尊である。

諸兄諸姉もご自身の近景、中景、遠景的人物を考えてみられることをお勧めする。 

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X線天文衛星アストロH打ち上げ成功

2016年02月19日 | 科学

今月初め北朝鮮のミサイルだか人工衛星だか分からないものが打ち上げられ、大騒ぎしてイライラさせられた。

難儀な連中が近所におると大迷惑させられる。

そんな中、17日、JAXAがX線天文衛星アストロH(愛称、「ひとみ」)を種子島宇宙センターから打ち上げ、無事軌道に乗せた。やったね。少し溜飲が下がった。今回のH-Ⅱロケットは30号機で6号機で打ち上げ失敗があったがあとは24回連続成功、成功率96.7%、H-IIAと同エンジンを使用するH-Ⅱロケットも含めると35回中34回の打ち上げに成功しており、打ち上げ成功率は97.14%。打ち上げの成功率はトップクラス、問題はコストということらしい。

X線天文衛星でどんなことをするのかは、次のURLで。より詳しいリンクもある。

http://fanfun.jaxa.jp/countdown/astro_h/mission.html

どんなに遠く離れた天体とものっぴきならない関係で繋がっているのだから、宇宙に関心をもってほしいものである。

 

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LIGOによる重力波の直接検出

2016年02月13日 | 科学

全米科学財団と国際研究チームは2016年2月12日(日本時間)、アメリカの重力波望遠鏡LIGO(ライゴ)を用いて、2つのブラックホールの合体によって発せられた重力波の検出に成功したと発表した。

http://www.nao.ac.jp/news/topics/2016/20160212-gw.html

重力波の検出器は今世界にアメリカ、欧州、日本と3台あるが、日本のKAGRAは出遅れてしまったようで残念。

しかし、これで重力波による宇宙の観測が進むだろうし新しい発見が楽しみといえる。

3年前には質量をもたらすヒッグス粒子が実験で確認されたニュースがあったが、重力波の発見で粒子と波、その相関が明確になっていくことと思う。

さて、重力において知っておいてしかるべきことは、その相互作用の範囲は無限大ということ。電磁力もまた無限大である。
宇宙に存在する物質はいくら離れていても重力と電磁力によって繋がっているということである。

佛教で説く縁起も重力と電磁力の無限大の影響力によるのである。縁起というと間接的な繋がりを想定するが、直接に繋がっていて変化がその力の場の中を伝搬しているのである。

従って無関係なものは一切ない、一切のものによって支えられている。
おかしな例えになるかもしれないが目の前に殺し屋が現れたとする。実はその殺し屋に今まで生かされてきたのであり、逆に生かしてきたのである。

また、話は大きくなるが、自分は太陽によって生かされている、逆に自分の存在によって太陽も存在しているのである。
重力、電磁力の場は完全に繋がっていて隙間がない、何かどんな小さなものの存在を否定してもその完全な場は失われその場にあるものは存在し得なくなるのである。

もっと大きく太陽を宇宙としても同じである。     

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紀元節を祝う

2016年02月11日 | 共生

今日は建国記念の日、旗日だ。いつもより早めに起きて日の丸を掲げた。
今年は神武即位から2676年目の年に当たる。
そんなの神話の話ではないかと言われそうだが、暦なんて人間がどこかを起点に年月を数えてきたもの。それぞれの民族が神話や伝説を元に作ったものである。

因みに西暦はイエスの誕生の年が元年だがこれも伝説。
東南アジアの佛教国では佛滅を紀元とする佛暦が使われている。ミャンマー、スリランカは佛滅の年を紀元とし、今年は2560年、タイ、カンボジア、ラオスはその翌年を紀元としていて、今年は2559年になる。

イスラム暦はちょっと変わっていてムハンマドがメッカを支配していた民族に追われて故郷のメディナに戻った(聖遷という)西暦662年が紀元である。今年はイスラム暦で1355年に当たる。

 さて、ここで気がついたのだが、日本紀元と佛暦とは年が接近している。釈尊の誕生は佛暦前80年、それから数えると2639年。
神武即位との差は37年、つまり、釈尊と神武天皇は同世代ということになる。
この発見は楽しいね。正に神佛習合だ。

こういうと必ず釈尊はともかく神武天皇は架空ではないかと考える人がいる。
神話というのは全くの嘘なのかというと、そうではなく似たような事実があったのだと思う。神武東征だって似たようなことが時代が違ってあったに違いない。
その神武東征の物語が書かれた古事記が西暦712年に編纂されて1300年、そこから日本人の主だった人たちは神武天皇の存在を信じてきたのである。そのことからいろんなものが生まれ伝統となり今日の文化に繋がっている。

嘘の話から実際のものが生まれてくることも事実、「嘘から出た真」なのである。

神話はその民族の言語、文化、伝統の源泉である。

中でも日本神話は生命と平和の大切さを謳っている、これを蔑ろにしてはならないであろう。


デュメジル(フランスの神話学者)
「神話をなくした民族は命をなくす」

河合隼雄(心理学者、元文化庁長官)
「日本人のアイデンティティは古事記にある」

 

付記

西暦との年数変換法、紀元 西暦年+660年
                            佛暦 西暦年+543年(タイ)、+544(ミャンマー)
          昭和 西暦年(下2桁)ー25年
          平成   〃     +11年

 

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閲覧数50万突破

2016年02月06日 | 共生

昨日2月5日でとうとう閲覧数が50万を突破しました。

有難うございました。

これだけ多くの方に観ていただいたことは驚きであり感謝の気持ちで一杯です。

拙い文章ですが、またどこまで続けられるか分かりませんが、頑張って行きたいと思います。

ある日、どこかの血管が切れてパッタリなんてこともあり得ますので、その節はご容赦ください。

  一法 拝

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奇跡の脳

2016年02月02日 | 生命

先週土曜日のNHK「こころの時代」に東大名誉教授で解剖学者の養老孟司氏が出ていたのを半分以上から経過したところから見ることになった。

面白かったのは、アメリカの脳科学者ジル・ボルティ・テーラーの脳卒中体験の話だった。左脳に脳内出血が起こり左脳が著しく障礙された結果見えている世界の状態とは違うあり方、つまり右脳で見た世界の不思議さを語ったことだった。

養老氏は簡単に説明していたが、その実際はテーラー女史自体が語っているのをYouTubeで見つけたので視聴をお薦めしたい。
なお、「奇跡の脳」というタイトルの本も出ている。

「奇跡の脳」脳卒中体験を語る / ジル・ボルティ・テーラー
https://www.youtube.com/watch?v=BsSWaYITW4g

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