10月30日(日)曇のち雨
10月もあとわずかとなりました。過去を振り返るとあっという間に終わってしまうのですが、一日・ひと月・一年の長さが変わる訳でないので人間の記憶がサンプルデータしかないないためかもしれません。現在や未来は記憶にないので時間の流れを実感できるのでしょうけど、今日のように何もない一日と言うのは記憶からはすぐに消されてしまうのでしょう。
ところで最近、人間のルーツを辿っていろいろな本を読んできました。そして現在の新生人類が地球上に現れたのが約20~30万年前のことです。全世界の人類のミトコンドリアDNAがたった一人のアフリカの洞窟にいたイブに辿り着く訳です。その子孫の数はもうすぐ70億人になるそうです。
地球が誕生したのが約45億年前、自分と同じ分子を作ることができるDNAと言う分子が出現したのが約40億年前です。細菌の誕生ですね。それから更に10億年たった約30億年前シアノバクテリアと呼ばれる太陽光から光合成をする細胞が誕生しました。太陽光を使って炭酸ガスと水からブドウ糖を作る生物(海藻)の出現です。ブドウ糖を作る過程で酸素が放出されます。シアノバクテリアの繁栄に伴い、地球の上は酸素で覆われて行き、オゾン層ができ、宇宙からの放射線も遮られるようになりました。そして約15億年前になると大気中に増えた酸素を使って呼吸する細菌が出現します。ミトコンドリアはこの細菌の痕跡と言われています。ミトコンドリアを持つ単細胞生物の中にシアノバクテリアを取り込んだものが植物へと進化していくことになります。約5,6億年前にたくさんの細胞からできた多細胞生物が生まれます。多分最初は二つの細胞がくっついて離れられなくなって、それが細胞分裂して増えて行くうちにたくさんの細胞が一つの個体として生きて行くようになったと考えられています。約4億年前になるとオゾン層がきちっと出来上がった頃のことですが、紫外線を避けて海に住んでいた植物から陸へあがるものがでてきました。植物に続いていろいろな生物が陸に上がり、環境に適合した進化を続けました。約3億年前には肺を持つ歩ける魚が出現します。カエルやイモリの祖先ですね。それから1億年前になると恐竜やワニが繁栄する時代がやってきます。我々の祖先の哺乳類も約7000万年前に出現します。その後巨大隕石が地球に衝突し恐竜たちは絶滅します。幸いにも我々哺乳類は大絶滅の危機を生き延び、約700万年前に猿人が出現し、約20~30万年前にホモサピエンスと言う新生人類がアフリカのイブから誕生したのです。
その人類がアフリカから世界中に拡散して、発達した脳により文明を起こし子孫を増やしてきました。といっても紀元0年頃の世界人口は2億人ぐらいでした。西暦1000年でも3億人ぐらいでした。それが西暦1600年には5億人を超え、1800年には10億人を超え、1920年には20億人を超え、2000年には60億人を超え、今年には70億人を超える勢いで増え続けています。この異常な増殖がどんなことをもたらしているのか考えるとちょっと怖くなります。我々がこのペースで増え続ける以上、地球の生態系を破壊し、結局そのツケは自分達に返って来るのかもしれません。世界が平和になってみんなが生きていけることはすばらしいことですが、こんな勢いで増えて行くことに対して、我々の理性では解決できない地球の栄枯盛衰を感じます。この事実を知ってから我々のルーツ探しより、未来のことを考えるようになってしまいました。地球は元々放射線にさらされた不毛の星でした。シアノバクテリアの繁殖から酸素が充満しオゾン層ができたことで、生命体が誕生したのですが、我々の生命活動がやがてオゾン層を破壊することになった時我々は海底の中か地下でしか生き残れないかもしれません。
もっとも地球の歴史から見れば我々人類の歴史は1000万年にも満たない瞬間的な出来事でしかないのですから、まだまだ先はあるのでしょうけれども現在の我々には誰も見ることができないのが残念なことです。ただ想像したり、考えたりするところから数々のSFが生まれてくるのでしょう。
新猿の惑星もおもしろそうです。今日は暇にまかせてつまらないことを考えてしまいました。それではまた。