西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

日本家政学会関西支部研究発表会に行き懇親会挨拶など

2012-10-13 | 地域居住学
今日、私は奈良女子大学で行われた日本家政学会関西支部研究発表会に行き懇親会で挨拶した。でもまず講演を聞きに行った。演題は「奈良女子大学所蔵の正倉院模造宝物」である。

講師は奈良女子大学特任教授の松尾良樹さん、元々は中国語の専門家、京大文学部出身。奈良に来て、正倉院模造宝物にぶち当たり色々な人と付き合う中で面白い学際的研究を追求することになった、と言う。

こういう分野では、次々と面白い共同研究者にぶつかり、今日に至っているという。松尾さんは、異分野と交流するに、「酒を飲める人、一つの異文化に対して一人だけ」選んできたという。まあ、「飲みにケーション」を重視した人選だな。そう言えば、今はもうなくなったが、「都(みやこ)」という飲み屋が女子大南門近くにあって、何度も松尾さんをそこで見かけて一緒に飲んだこともある。

本番の研究発表会では、住環境分野に聞きに行った。二部屋あったけれど一部屋しか行けなかった。住居学の瀬渡章子さん、井上容子さん、発表もされた藤平真紀子さんにも会った。中山 徹さんも海外出張から帰国したばかりだが、司会をしていた。

18時過ぎから生協食堂で懇親会、挨拶した塚本幾代実行委員長によると今日は50ほどの演題に150人が参加と言う、懇親会には50人位の参加、的場輝佳さんも来ていて旧交を温めた。

関西支部長の今岡春樹さん(奈良女子大教授)が、若手研究者4人に研究発表賞を手渡していた。

私が参加者では最高齢(71歳、的場さんが1級下)だったので、司会の菊崎泰枝さん(奈良女子大教授)指名により乾杯の音頭をとった。

その挨拶概要(記憶による):
「多分、参加者で最高齢ということで乾杯の音頭を取らされるのだ、と思います。その前に一言、先ずお礼を言いたいと思います。それは5月の日本家政学会大会(大阪市大)で功労賞を頂きましたが、これは関西支部の推挙によるものです。皆さんのサポート、協力のたまもので、深くお礼申し上げます。

特に思いだすのは二つ、一つは、1995年の阪神・淡路大震災で家政学会で組織して調査研究をし、学会誌に報告したり報告書を作ったりして、それなりの役割を果たしました。しかし、昨今の東日本大震災にあたっては、家政学会編の「小冊子」を発行して一歩前進して良かったと思っています。もう一つは、2004年の夏に京都国際会館で行った国際家政学会(IFHE)の実行委員長をしたことです。今日もこれらに協力して頂いた方もみえています。

さて私は7年半前にこの奈良女子大を定年退職し、現在名目的に平安女学院大学客員教授ですが、実際はボランタリーの「けいはんな市民雑学大学・代表」が主でして、奈良女子大の先生方の協力も得ていますが、更に奈良教育大の協力も得たいと考えています。

まあ私は7年半前に職場人間から地域人間、仕事人間から生活人間、まとめると職場仕事人間から地域生活人間になりました。で、基本的生活として炊事、洗濯、掃除、育児、介護、お洒落、買い物、近所付き合いが出来ることが大事と言っています。

先日も例の山中伸弥さんの奥さんが言っていました。スウェーデンからノーベル賞の受賞の知らせが来た時、自分は冬物の布団にカバーをつけていたが、山中は電気洗濯機の修繕をしていました、と。定年退職前から基本的生活実践が大事なのですよ。

それで「今日(こんにち)は、iPSの時代と言うべきですが、ここに持ってきた本は『今こそ家政学』(ナカニシヤ出版刊)と言っています。著者は13人全員関西支部所属ですが岸本幸臣さん、花輪由樹さん(ここにいます)、小倉育代さん、表 真美さんを私は知っています。是非お求め下さい。

では、家政学、家政学会の発展と皆さまの前進、健康を祈念して 乾杯!」

(後で「挨拶が長すぎる!」とお小言を言われた。自認している。)



次回は来年の10月、大阪青山大学(箕面)にて、また会いましょう。


iPS細胞の将来、他の分野への波及序論

2012-10-13 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
iPS細胞を人間で初めてつくった山中伸弥さんは、「今までに一人の命も救っていないのだから、重要なのは今後で、現実の医療に生かす責任をもっている・・・」と述べている。 

この技術の位置づけ・意義を、大局的に言えば「人間の臓器、部分の欠陥をiPS細胞由来の臓器、部分で補って、人間の命を救い、延命化させることだ。」と言えるのではないか。これが現実となるのは将来のことである。理化学研究所を中心に網膜の加齢性黄斑変性に対する臨床試験が来年あたりから始まるようだ。

医療(治療及び病気が起こるメカニズムの解明)や創薬への応用は、iPS研究所(山中所長)でも表明しているし、良く分かる。

では、将来、人間生活が、それによって(延命化)によってどう変わるのか、またどう考えたらいいのか、は考えようによっては大問題ではなかろうか。

前にも一寸述べたが、iPS細胞由来の臓器や部分は、前の(病変の)臓器や部分より長命なのかどうか。もし長命なら、体全体の寿命の長短とどう関係するのか。

現在の延命治療というと、段々弱って死に至る延命、というイメージだが、もし元気延命だとしたら、それは生命倫理の上でどう考えたらいいのか。

まあ次から次へと現実的問題が起こってくるに違いない。