西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

iPS細胞の諸問題私論

2012-10-11 | 時論、雑感
今年のノーベル賞医学・生理学賞の一人に山中伸弥さん(京大教授、50歳)が選ばれた。

人のiPS細胞(人工多能性幹細胞(じんこう たのうせい かんさいぼう、英語:Induced pluripotent stem cells)を6年前に初めて作成した業績に対するものだ

まあ、iPS細胞作成は、ある意味で1953年のワトソン、クリックによるDNAの二重らせん構造モデル提示に匹敵するのではないか。今後の広大な医療等への応用が見通せる。

でも様々詰めるべき諸問題が横たわっている。研究上の問題として、1)人間のどの細胞からでもiPS細胞が作れることになっているが、実際には、何処の細胞によるかで細かい性能が異なっているようだ。では、どの細胞に狙いをつけたらよいのか。2)加齢性黄斑変性網膜などに対する「新網膜」再生が臨床試験に入るようだが、個々の臓器再生での様々な問題クリアはどうなっているか。

また倫理上の問題として、将来、仮に自分の細胞から自分自身(クローン人間)、心臓や脳が作れるとしたら、一体、人間の寿命をどう考えたらいいのか、の深刻な問題も先に横たわっている。

京大のiPS細胞研究所では、そういう問題も扱う部門も整備するようだが、そうなると今までにない総合研究所になるだろう。期待して見守りたい。