おはようございます。
生き生き箕面通信2287(150327)をお届けします。
・世界の良心・チョムスキー氏が、安倍首相をこっぴどく批判
日本の現在を、「ブレーキのない車のクラクションが鳴り響く社会」と描きました。
「『いま』がすべて。どこに向かっているのか。なぜそんなに急ぐのか、あぶないではないかと問うても、いまこの走りを見てくれ、こんなにアクセルを踏み込める政権はかつてなかっただろうと答えが返ってくる。とにかく前へ、ここではないどこかへと、いま必死で走っている最中なんだ、邪魔をするのかと、あらゆる批判をはねのける。奇妙な論法が横行している」とも描写しました。
「情けないのは抑制や自制という権力の作法を身につけず、けたたましいクラクションを鳴らして走り回る首相の方である」とも記しました。
以上に引用したのは、朝日新聞の本日3月29日の「安倍政権の激走」と題した社説です。この社説で浮かび上がらせる安倍晋三という男の姿は、一時期の暴走族もかくやと思わせるならず者です。やみくもにクラクションと鳴らして騒がしく走り回り、ヒトの安心を妨害する輩です。
しかし、そんな社会にさせるにいたった大きな責任は、メディア自体にもあるのですが、それについては、「メディアが耳をふさいでやり過ごしてならない」と、申し訳程度にふれています。
そして、結論は、「この社会に生きる一人ひとりにも、できることはあるはずだ」としました。これは私たち一般庶民に責任を丸投げしたようにも見えますが、見方を変えれば、「安倍政権打倒へ立ち上がれ」と、ゲキを飛ばしたものとも受け取れます。おそらく安倍政権側は、「朝日がいよいよ『打倒安倍』の旗色を鮮明にした」と受け取ったことでしょう。
安倍政権の危険性については、世界のリベラル勢力が信頼するノーム・チョムスキーさんが、「安倍首相は、日本国憲法の9条を切り捨てようとしており、最悪の首相だ」と、厳しく批判しています。以下に、フェースブックに投稿されたものから引用します。
「生成文法や言語生得説で著名な言語学者のノーム・チョムスキー氏は、アメリカという一国家を超えた「世界の良心」と呼ばれる存在ですが、彼は、現在の日本の危うさをもたらしている「ウルトラナショナリストの安倍晋三」を強く批判しています。
2分50秒に凝縮された〈行動し発言する碩学〉の言葉をぜひお聴きください。
https://www.youtube.com/watch?v=wbUqrajckxs#t=17
以下に、書き起こした文章も貼り付けます。(書き起こしの労を担われたのは、setsuo fujiwaraさんです。改行と太字は武田)
「日本は現在、ある種のウルトラナショナリストの首相とその政権が支配しているわけですが、この人物は明らかに、9条(憲法の平和主義条項)を切り捨てようとしているわけですが、私は最悪だと思います。
アジアの人々たちは、まだいくらか日本帝国主義についての記憶が残っているわけです。
それからもう一つ、日本では長い間、自国のアジアにおける戦争犯罪を過小評価しようという試みがなされています。歴史家の家永三郎氏はそうした中で、最低限の事実を歴史教科書に含めようと闘い、いくらかの進歩があったのですが、それがまた後退してしまいました。たとえば南京虐殺否定論であるとか、そんなような類です。
ちなみに、この土台はアメリカによって作られたのです。戦後、アメリカは単独で日本を占領しました。本来ならば全ての戦争関係国を含む極東委員会による統治であったはずでした。アメリカはそれを全部追い出して単独で勝手に占領支配したのです。それから対日講和条約として、1951年にサンフランシスコ講和条約が結ばれました。
この講和条約は日本の戦争犯罪を告発していますが、良く見て下さい。その戦争犯罪とは1941年12月7日(真珠湾攻撃)からのものなのです。それ以前に行われた10年間の恐ろしい犯罪は一切考慮されないのです。
なぜですか。結局、それはアジア人に対する犯罪だったからです。ジョージ・オーウェルの言葉を借りれば「非民(unpeople)」というわけです。1941年12月7日(真珠湾)は違いました。それは「人間」に対する犯罪だったからです。
この講和条約の内容はあまりに恥知らずなものであり、当時のアジア独立国は会議出席も拒んだほどでした。インドも拒否しました。セイロンは当時イギリス植民地であったため出席しなければならず、フィリピンは義務的に出席せねばなりませんでしたが。しかし独立していたアジア諸国は出席を拒否しています。そして、それが土台になっているわけです。
さらに言うと、1947年の有名な「逆コース」によってアメリカは実質的に戦前の日本の体制を復古させ、社会に存在していた民主的な要素を壊していきます。それが日本はこういった復古的政策を維持し続けることができるようになった基盤になってしまったのです。私はこれは物凄く悪いことであると思います。それは別に中国が今やっていることを褒めるということではありませんし、ベトナム等に対して中国が現在行っていることなど本当に酷いものだと思いますが、それは別の話です。日本が平和主義憲法を捨てるということについて、私は非常に危険なことだと思います」
(注)1947年の「逆コース」とは、日本国憲法案などをつくったアメリカ民生局の民主主義派から、タカ派のトルーマン大統領の国家主義派(日本を対ソビエトの防波堤にする)への転換のことを言います。占領からわずか2年もたたずしての急旋回は、その後のさまざまな矛盾の原因となり、戦前の日本権力者たちの復古的な保守主義を再興しました。A級戦犯の安倍の祖父(岸信介)が戦後に総理大臣になることができたのも、いま安倍首相が強権をふるえるのも、「逆コース」ゆえです。(武田康弘)
以上、引用おわり
こんな首相を、日本の国民はいつまで許すのでしょう。それにしても、安倍晋三氏に取って代われる「期待の星」が乏しいのはいかにも情けない。民主党には期待できないし、共産党もだめ。小沢一郎氏の存在意義をきちんと評価できる政治風土に代わっていかなければ、日本の夜明けはまだ先になりそうです。