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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1067 ・反対を押し切ってのTPP参加表明――日本の民主主義が問われる日

2011-11-10 06:30:34 | 日記

 おはようございます。読売新聞は本日の社説で、TPP問題について、「首相は、慎重派の意向を尊重しつつも、やはり、ここは不退転の決意で参加を表明すべきだ」と、催促しています。ジャーナリズムが寄って立つべき「民主主義のルール」をかなぐり捨てた社説を掲載することに何のちゅうちょもありません。
 生き生き箕面通信1067(111110)をお届けします。

・反対を押し切ってのTPP参加表明――日本の民主主義が問われる日

 野田首相は本日、反対論に包まれながら、「TPP交渉に参加する」と表明すると見られています。国論が真っ二つに割れているなかで、オバマ大統領に「日本を差し出す」と決断するわけです。

 民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)は昨夜まで50数時間かけて討議しましたが、結局、両論併記になり、すっきりした結論を出せませんでした。

 両論併記ですが、「慎重派」の立場に考慮して、TPの提言は「慎重な意見が多かった」と書き込みました。これをどう受け取るかですが、慎重派は当然のことながら、「首相は簡単に賛成と言えなくなった。首相は提言内容にしばられる」と解釈。一方、「賛成派」は、提言の内容は「首相の判断をしばるものではない」と受け取りました。

 つまり、賛成派は「慎重な意見が多かったけれど、ここは『国益』を考えると、交渉参加に踏み切らざるを得ない」という判断です。野田首相も、そう判断するのでしょう。

 しかし、ことは「民主主義政治」の進め方です。反対や慎重な意見が強く、国論が真っ二つに割れている時は、拙速に結論を出さず、徹底的にさらに議論を深めるべきです。今の段階では最終判断を下すための情報があまりにも不足しており、どう判断すべきか、迷っているのが実態です。もっと判断材料を提供すべきです。

 そもそも、どんな理屈で「国益にプラス」といえるのか。またたとえば、カナダ政府やメキシコ政府がアメリカ企業に訴えられ、どのような賠償金を取られたのか。そこに何があったのか。現在、韓国ではどんな議論が行われているのか。ISD条項やラチェット条項は、どのように運用された実態があるのか、ほとんど知られていません。

 不平等条約を押し付けられて、どれほど国益を失ったか、その不平等を解消するためにどれほど屈辱的な歴史をたどってきたか。結局は、日米戦争まで突っ込んだのです。

 今回のTPPも、「日米同盟を深化」するどころか、結局は日米間の対立の火種になることが想定できます。

 そして現在の根本的な問題は、日本が民主主義政治を機能させ得ているか、です。統治の本質が問われています。


生き生き箕面通信1066 ・「TPP参加」へ前のめりの大手メディア

2011-11-08 06:49:44 | 日記

 おはようございます。オバマさんは、大統領選レースで今のところ共和党候補に後れをとっており、巻き返しに必死です。
 生き生き箕面通信1066(111108)をお届けします。

・「TPP参加」へ前のめりの大手メディア

 本日の朝日新聞社説の見出しは「どうするTPP 交渉参加で日本を前へ」。本文でも「改めて主張したい。まず交渉へ参加すべきだ」と提言。何が何でも交渉へ「参加することが最優先」と主張しています。

 日経の場合は、本日の朝刊一面で論説委員長が直々にお出ましになり、見出しで「国を開かないでどうする」と来ました。結びの結論は、「国を開いて『内向き・下向き・後ろ向き』といわれる閉塞状況を打ち破らないと、この国に明日はない」と断言しました。

 果たして、そうでしょうか。朝日が主張するように「まず交渉に参加」すべきでしょうか。あるいは日経がいうように、「TPPに参加しないと、日本の明日はない」のでしょうか。

 そもそも今回、野田首相が結論を急ぎ、明日あるいは明後日にも「参加」を表明しようとしているのは、オバマ米大統領への「献上品」のためです。日本という献上品をアメリカ大統領へ差し出す「朝貢外交」なのです。

 大手メディアはそれを承知で、「参加」の大合唱をしています。官邸筋と関係官庁の官僚が懸命にメディア対策を講じた成果もあるのでしょう。「参加」という空気を盛り上げたい政府に逆らうのはまずい、という例の「空気先読み論説」の面目躍如と申しましょうか。

 大手メディアは、TPPに参加した後の「この国の将来像」を語りません。国民あるいは私たち消費者にどんなメリットがあるかについても、できるだけの情報を提供しようとする姿勢がありません。自分の頭で真摯に検証した結果の論説を立てる気概はもはや見当たりません。これは、経産省や外務省などの官僚が出す資料だけをもとにして記事を書いて育ってきたから、いってみれば論説委員になった現在も官僚の口移ししか”主張”できないという結果です。

 アメリカからはこれまで「日米構造協議」、あるいはアメリカからの「年次改革要望書」などで、日本の守りをゴリンゴリンとこじ開けられてきました。例えば大型店舗法を改訂させられ、町の小規模商店街は「シャッター通り」になってコミュニティーも破壊されたのが典型例です。

 アメリカ流の改革が進められた結果、若者は非正規雇用に落とされ、あるいは就職できず、格差社会になりました。日本の「1億総中流」という世界がうらやんだ「豊かな平等社会」は、いまや昔のラプソディーです。

 今回のTPPで、アメリカは日本に残っている郵貯・簡保の資金を狙っています。「小泉改革」であと一歩のところまで成功しかかったのですが、政権交代などで取り逃がした「おいしい獲物」を今度こそ手中にしようと執ような仕掛けなのです。もちろん、コメをはじめとする農業分野、あるいは司法の分野、さらには医療の分野も狙い目です。取りあえずは24分野もあり、「原則は例外なき自由化」です。そこへ、毒素条項といわれるISD条項も盛り込まれ、アメリカが有利に活用しようと虎視たんたんのラチェット条項も導入されます。

 今朝の朝日も日経も、そうしたことにはまったく目をつぶって触れません。これでジャーナリズムの使命が果たせていると考えているのでしょうか。日経にいたっては、論説委員長まで出てきて、言っていることは、ただアメリカさまの言う通り「国を開け」だけです。「オープン・ザ・セサミ」(開けゴマ)。

 おそらく5年も経たないうちに、「あの時のTPP参加は大きな間違いだった」ということが明らかになるでしょう。ただ、アメリカの属国になりたい方々には後悔はありませんが。

*今晩から1泊でちょっと遠出しますので、明朝の「箕面通信」は休載とさせていただきます。


生き生き箕面通信1065 ・「人身取り引き大国・ニッポン」という現実

2011-11-07 06:40:28 | 日記

 おはようございます。朝日新聞の社説が、本日から毎週1回「政治を鍛える」という提言シリーズを企画。一回目の本日は「民主主義の技量を磨く改革」という見出しで、「政治には『聞く、選ぶ、説く』力が求められる」と提言しています。物足りないのは、メディア自身、朝日新聞自身が「真実を『伝える』力を磨く改革」に言及していないことでした。
 生き生き箕面通信1065(111107)をお届けします。

・「人身取り引き大国・ニッポン」という現実

 「日本は『人身取り引き大国』である」と国連でも認定されているのが、日本の一面だそうです。「人身取り引き」とは、人を力によって支配し、売春や労働をさせるために人を”取り引き”すること。つまり、現代版「人身売買」」です。日本は「人身売買大国」なのです。

 日本での人身取り引きは、さまざま巧妙な手口で広がっている。政府の「研修生制度」をも悪用し、受け入れた研修生を借金漬けにして低賃金で長時間労働させる。よくある例は貧しい国からの女性を”買い入れて”、パスポートを取り上げたうえで売春させたり、です。

 朝日ニュースター「ニュースの深層」というテレビ番組が先日(11月2日)、この「人身取り引き」を取り上げていました。ヒューマン・ライツ・ウォッチの土井香苗さんが、ポラリスプロジェクトの藤原志帆子代表にインタビューするという形でした。

このインタビューの中で驚かされたのは、「歴史的に見ても、現代は最大規模の人身売買が行われている。見えにくいけれど、実質的には最大規模の『奴隷制度』が存在する」という指摘。通常は「人身取り引き」という用語を使うそうで、英語では〈ヒューマン・トラッフィキング〉。人を支配下に置き、売春や労働をさせること、です。

 かつては、フィリピンやインドネシアなどアジアの貧しい国からの女性が多かった。最近は、ルーマニアや、コロンビアなどからと広がっている。「日本に行けば、いい働き口があるよ。いい暮らしができるようになるよ」と”誘惑”や”だまし”で送り出し、受け入れ国の日本では「逃げだせばイタイ目に合わせるぞ。お前の国の家族もえらい目にあうぞ。売春していたことをばらすぞ」と”脅迫”。そのうえ「借金漬け」や「パスポート取り上げ」で身動きが取れないようにする。HIVなどの感染し身体をこわしても、何の補償も手当もない。

 国際犯罪の市場規模では、「麻薬」がトップで、2位が「人身取り引き」、3位が「銃」だそうです。そのくらい多くの取り引きが行われている。経済的に豊かな国、アメリカ、ドイツなどでも「人身取り引き市場」の規模は大きいそうです。「家族のために出稼ぎに行く」という人が罠にはまる。つまり、背景には貧困があります。

 日本では、外国人ばかりでなく、日本人少女の「取り引き」も増えている。取り締まりは、警察や入管局の担当だけれど、人手不足で追いつかないそうです。しかし、少女たちが警察に訴えても、「事情を聞きおく」だけで、「守ってくれずに帰される」という現実もある。

 人身取り引きがほとんど見られない国もある。たとえばベネルックス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)など。社会的に「人身取り引き」を排除する教育が行き届き、行われない。
一方、日本には「安く性を買う」という旺盛な需要があるのです。

 雇用状況が悪化したままの状態が長引く日本では、「人身取り引き市場」は大きくなる方向のようです。


生き生き箕面通信1064 ・「説明しない政治」でいいのでしょうか――メディアは何をしているのでしょうか

2011-11-06 07:12:41 | 日記

おはようございます。野田首相は4日後の10日には、「日本の代表としてTPP交渉に参加します」と、”決断”を発表するそうです。
生き生き箕面通信1064(111106)をお届けします。

・「説明しない政治」でいいのでしょうか――メディアは何をしているのでしょうか

 野田首相は、フランスで開かれたG20サミットで「消費税は10%に上げます」と、”国際公約”なるものをしてきました。

 今週ハワイで開かれるAPEC(太平洋経済協力協定)でのオバマ米大統領との会談をひかえ、「TPP(環太平洋経済連携協定)に参加します」と、”公約”する段取りになりました。

 「消費税の10%までの引き上げ」にしろ、「TPP交渉への参加」にしろ、国内での議論は煮詰まっていないどころか、TPP問題にいたっては与野党議員の猛烈な反対論がまさに沸騰している最中。それらには目もくれず、「参加する」というのです。

 なぜ参加するのか、肝心のことを自分の口ではこれまでまったく語らず、「政治決断する」というだけです。政治手法としては、「海外に公約したのだから、仕方がないだろう」と、「国際公約」なるものを振り回し、難題を国民に押し付ける稚拙さ。「民主主義」という政治の基礎を吹っ飛ばしています。

 野田首相の「安全運転」とは、説明をしないで、国際公約という「外圧」を利用するやり方です。それは、本来、官僚の手法でした。官僚の場合は、アメリカの要人に「外圧をかけるよう」そっと頼んでいましたが。野田首相の後ろ盾は、財務省を筆頭とする経産省や外務省、あるいは防衛省、厚労省といた官僚群です。見方を変えれば、野田首相は官僚の「かいらい政権」、あるいは官僚の「ロボット政権」なのです。

 情けないのは、こうした実態が進んでいることに対し、大手のメディアが目をつぶっていることです。日ごろから、財務省をはじめ、経産、外務、防衛などなど、それぞれの役所にくっついている「記者クラブ」で、官僚にコントロールされ飼い馴らされていますから、ジャーナリストとして発信することができない。役所の「大本営発表」を、広報機関として記事にするだけです。

 政治のレベルでは、官僚はもともと国民を統治の対象としてしか見ていません。これは権力機構の通常の姿です。それだけに、その官僚機構、権力をウオッチし、国民の立場からもの申すことがジャーナリズムの使命だったのです。

 その頼みのメディアが手なずけられ腐っている日本。TPPに参加して日本の国柄はアメリカ流に変えられようという、この瀬戸際にジャーナリズムが機能しない日本。「自己責任」を振りかざして、「強いものはより強く、弱い者は徹底的にみじめになる社会」、「お金がないのに、消費税はむりやりむしられる弱者むさぼり社会」、そんな国に変えられてしまいます。

 しかし、これも私たち有権者が恨んだ選良が”努力して”造り上げてきました。そして、記者クラブメディアのあり方をあまりしらずにここまで来ました。結局は、私たちがぬかった結果と受け入れなければならないのでしょうか。「自己責任時代」だから、仕方がないのでしょうか。



生き生き箕面通信1063 ・人口70億人時代――世界規模の「食糧、水争い」がさらに激化

2011-11-05 07:13:43 | 日記

 おはようございます。
 生き生き箕面通信1063(111105)をお届けします。

・人口70億人時代――世界規模の「食糧、水争い」がさらに激化 

 世界の人口がついに70億人を突破し、世界中に祝賀気分よりはむしろ「戸惑い」が広がったといえそうです。食糧、水の心配が、現在でも世界中で深刻化しているからです。

 中国は、農地を求めて世界あちこちで土地を買いあさっています。最も狙いをつけているのがアフリカ。日本でも水源のある山間地を買い占める動きが出ています。

 アフリカからヨーロッパ各国へ「人口移動」も起こり、各地で暴動の原因になっています。

 世界の人口は毎年8000万人ずつ増えてきました。12年でほぼ10億人増えるペースです。アフリカでの人口増がいちじるしく、エネルギーとしての「まき」用に木を切り倒したため、砂漠化が進み、それが水不足をさらに深刻化するという悪循環に陥っています。

 世界は、食糧高騰期に入りました。歴史的には最高値の水準です。しかも、さらに高騰することが確実とみられています。投機筋も巨額の資金を食糧確保や農地確保に動かし始めたと伝えられています。

 地球の定員は、アメリカ人並みの生活を維持しようとすれば23億人。これは70年前に超えました。欧州並みなら41億人。日本人並みなら61億人だそうですが、10年前に突破しました。 しばらくの間、世界は人口増を止められない。もうすぐ80億人です。国連も、お手上げです。

 世界中で、高齢化も進みます。日本は「少子高齢化」に悩んでいますが、世界各国から「どうしたら少子化できるのか」と視察団が相次いで訪れる状況です。日本は「老人大国のモデル」になる可能性も秘めています。

 突然ですが、TPP(環太平洋経済連携協定)に参加すれば、「食糧自給率の向上」は望むどころか、13%まで落ち込むという見方があります。その頃は、どの国も自分の国の「食」を守らなければならないから、売ってくれません。日本は、いくら車や電気製品の輸出で稼いでドルというお金があっても、誰も売ってくれない。ドルという紙切れは、食べられません。

 ところで、どうするか。とりあえずは、「もったいない」でいきましょう。それに江戸時代を研究しましょう。江戸時代は、日本列島のなかでやりくりしてきました。その頃の人口は、3000万人くらいだから、江戸時代をまねれば解決できるわけではない。しかし、できるだけ自然とともに暮らす「暮らしぶり」には学ぶところが多いのも事実です。「3・11」は、生き方を見直すチャンスです。原発を動かして、電気をたっぷり使う生活からはおさらばしましょう。自然に生かしていただける範囲で、貧しくても、つつましやかに生きていきたいものです。