生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1087 ・11月の焦点、TPPは「アメリカに身を任せる」という決着へ

2011-11-30 06:40:36 | 日記

 おはようございます。東電の福島第1原発で事故処理の陣頭指揮にあたっていた吉田昌郎所長が退任することになりましたが、「病気退任」と説明しながら、病名は「プライバシー」だから明らかにしないという、不透明さを残し、釈然としない引退となりました。吉田所長がつい先日、大手メディアが初めて現地に入った時に、「事故当初は、死ぬかと思った」と”証言”したことが、東電の勝俣会長らの逆鱗に触れたのではないかと推測しています。しかし、「死ぬ思い」をさせられたほど原発は危険と、現場の責任者が述べたのです。重く受け止めるべきです。
 福島県知事は、県内の東電の原発をすべて「廃炉」にすべきと判断しました。
 生き生き箕面通信1087(111130)をお届けします。

・11月の焦点、TPP(環太平洋経済連携協定)は「アメリカに身を任せる」という決着へ

 11月の焦点にあげた「TPP問題」は、のダメ首相の”大英断”で、アメリカさまに「どうぞ日本をご自由になさってください」という荒筋になってきました。

 沖縄防衛局長の田中聡という男が、普天間移設の手順として環境影響評価書(通称、アセス)の沖縄県への提出時期について、沖縄の記者団に「犯す前に『やらせろ』とは言わない」と発言し、更迭が決まりました。

 実におぞましく、「口が汚れる」(仲井真・沖縄県知事)ほどの品性下劣な発言ですが、のダメ首相の頭の中も、防衛局長と同じレベルの構造ではないかという印象です。沖縄が「絶対に嫌だ」と県民大会を開いて明確に「ノー」と拒絶しているにも関わらず、その意思をいささかも尊重することなく、アセスを提出して、辺野古移設の手続きを「やる。やらせろ」というのですから。

 TPPにしても、「(日本という)わが身をお任せします」というようなものです。それではあまりにも情けないので、せめて料理に例えると、TPPのこれからの見どころは、アメリカさまがどのように日本を料理なさるのか、です。オバマさまの包丁さばきに委ねられることになりそうです。

 いぶかしいのは、大手メディアの論調です。大手メディアは、「開国すべき。国を開く以外に、日本の生きる道はない」と単純に主張しています。「地球は一つ。お互いに国を解放して、平和共存すべき」という”哲学”にはだれしも異論はないのではないでしょうか。しかし、それはあくまでもそれぞれの国、それぞれの民族のアイデンティティーを保持した上のことのはずです。

 ある国がある別の国の流儀に力づくで従わされる「開国」なら、どうでしょう。

 TPPというものの正体は、アメリカの基準が、いわゆる「グローバル・スタンダード」(世界基準)という名目で押し付けられるものです。だから、たとえば国民皆保険の象徴である健康保険制度すら、アメリカの保険会社からみれば、「自由な保険市場をいたずらに規制している。これは非関税障壁だ」という認定になります。

 日本のメディアは、新聞とテレビの系列化が鮮明です。例えば読売新聞と日本テレビ、朝日新聞とテレビ朝日、などです。ところが新聞とテレビの両メディアを同一資本で所有するのは不健全だ、「クロスオーナーシップ」は規制すべきだ、となるはずです。そして、メディアの分野にも外国資本が参入できるようにする。日本のメディアからすれば由々しき大問題ですが、いまのところはのほほんと「開国、開国」と単細胞の主張を繰り返しています。そのうち、「こんなはずではなかった」となるはずです。そして、TPPに対する論調は「反対」にコロッと変わるのでしょう。時すでに遅しですが。ぼくとしては、クロスオーナーシップに関する限りは、規制されるべきと考えます。しかしそれは、日本のジャーナリズムが健全に発展することに寄与する形で行われるべきで、いたずらに外国資本に支配されることには強く反対します。

 明日は、「12月の焦点は何か」を考えます。