おはようごいます。
生き生き箕面通信2052(140806)をお届けします。
・69年目の「ヒロシマ原爆の日」――何をどう語り継げばいいのでしょうか
先日、ヒロシマの原爆資料館を訪ねました。入場料は50円。全体にこぎれいに整った展示で、以前に訪れた時より印象が薄く、肩すかしをくらったような感じでした。原爆のすさまじさやおどろおどろしさは、大幅に姿を消していました。
わずかに、皮膚が焼けただれて垂れ下がり、両手を前に出してさまよう母子の等身大の人形像が、当時の模様を直截に伝えるものでしたが、これも来年の改修を機に撤去されるとか。
別に設けられた地下の資料室には、マンガ「はだしのゲン」がそろっていました。
原爆ドームから200メートルほどのところにある「爆心地」は、当時の島外科内科医院のビルが建て替えられ、通りに「爆心地」を知らせる写真付き表示板がひっそりとありました。
その表示板に、通りを行く人は誰も見向きもしません。そして、広島の市中は、原爆が投下された歴史など忘れたかのように活気を見せていました。
もっとも、本日8月6日は、「安らかに眠ってください。過ちは繰返しませぬから」の死没者慰霊碑の前で式典が行われ、広島はきょう一日、核兵器廃絶と愚かな戦争を繰り返さない誓いを新たにする日となるはずです。
ただ、式典で述べる広島市長の言葉の中に、市民が望んだ「集団的自衛権の行使容認に反対する」という文言を入れてほしいという要望は結局、聞き届けられないようです。「過ちは繰返しませぬから」と誓う場でも、いまや戦争ができる態勢づくりに被爆地の市長が明確な反対の声を上げないのが現実です……。
原爆投下から69年。この長い年月、私たちは本当に、「過ちは繰り返さない」、あるいは「繰り返させない」という歴史と実績を築いてきたのでしょうか。
たしかに今までのところ、日本での二度以外は、原水爆は使われておりません。
しかし、アメリカのオバマ大統領が就任早々、「核兵器ゼロ」を打ち出してノーベル平和賞を受賞したものの、実態はいわば詐欺の形になっています。私たちは、「ノーベル平和賞を受け取ったのなら、その手形を落とせ」と迫るべきです。そうすることが、「過ちを繰り返させない」と誓った意味のはずです。
日本でも、「核兵器を持ちたい」と考えるグループが隠然として存在しているといえます。麻生という副首相はその筆頭でしょう。安倍という男もその仲間ではないでしょうか。
何よりも、戦争を繰り返させないことが最重要です。ところが、安倍という男が政権を握ってからは、急速に戦争ができる態勢づくりに走っています。
何をどう伝えるか、今日一日、じっくりと考える日にしましょう。そして、「過ちを繰り返させない」よう行動することを誓う日にしたいものです。一人ひとりが自分の言葉で、次代の人々に受け継ぎましょう。
あと10分ほどで、69年目の式典が始まります。