生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2050 ・心からの平和と鎮魂を祈る8月――歴史をどう語り継ぐか

2014-08-04 09:29:26 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2050(140804)をお届けします。

・心からの平和と鎮魂を祈る8月――歴史をどう語り継ぐか

 8月の前半は、心が重く、名状しがたい気持ちになってしまいます。

 死者を弔い、平和な世の中作りに誓いを確認する8月。あさって6日はヒロシマ原爆の日、9日はナガサキ原爆の日、13日が迎え盆、14~15日は盆の中日、16日は送り盆で、京都では五山の送り火。

 NHKが昨日8月3日、平和への思いを新たにさせるような、いい番組を放送しました。ひとつは2002年に放送したアーカイブス「原爆の絵」、もうひとつは「ドラマ かたりべさん」です。こうしたいい番組を放送した時は、素直に評価したいと思います。

 「原爆の絵」は、被ばく者が体験した当時の光景を絵にして残す試みです。2回の募集で、たくさんの貴重な資料となる絵が集まり、現在はそのデータベース化が進められています。

 「かたりべさん」は、副題に「22歳が体験を伝える!?」とありました。原爆被ばく者は戦後69年を経て、高齢化から自らの体験を語り継ぐことが次第に困難になってきています。原爆体験の継承が出来なくなることを心配した「広島原爆資料館」のスタッフが、若い人に「語りべ」ができないか、そしてかたりべに挑戦しようする若い人の苦闘のドラマです。

 ドラマの中で語られるキーワードは、「(かたいりべは)誰にもできない。だけど、誰にもできる」です。

 敗戦を5歳で迎えたボクは、現在74歳。敗戦直後に台湾から引き揚げて来、上陸した波止場で頭からつま先までDDTをたっぷり噴霧されたこと、食料難に苦しんで芋がゆでやっと生き延びた体験、占領軍の兵隊からチューインガムやチョコレートをもらった記憶、平和憲法の施行を子ども心にもなんだか嬉しく感じたこと、平和を大事にすることと民主主義の世の中のありがたさを教室でならった記憶、教室が足りずに午前と午後に分けて行われた二部授業。そして大学生になって参加した「60年安保反対闘争」。

 今の子どもたちは、生まれながらにカラーテレビがあり、食べるモノはメタボになるほど有り余っている。一方では、いじめが一向になくならず、ついには同級生まで殺害する。

 敗戦後69年、この国は何をしてきたのか。幸せは、少しずつでも実感できるようになってきたのでしょうか。モノは豊かでなくても、心が落ち着き平穏な生活ができるようになったのでしょうか。

 もし、改める点があるとしたら、どうすればいいのか。政治は、私たちの生活を良くするためにあるはずです。政治の権力を握った人たちは、私たちの生活をよくするような政治を行う努力をしているのでしょうか。

 私たちは、自分たちの生活を良くするために、政治にもの申す責任と義務があります。そうでなければ、政治の任に携わるものは必ず腐敗し、大衆の利益よりも自分たちの利益を優先することにからです。これは、古今東西、人間の社会が繰り返してきた業です。

 それをチェックし、少しでもいい方向をめざすために、私たちは政治を語ることが欠かせないと思っています。とくに、自分たちの歴史を踏まえて話をすることが重要です。つまり、長く生きてきたものは「かたりべ」としての役割を担わざるを得ない。

 その「かたりべ役」は、なかなかできないように思われますが、本当は「誰にもできる」ことではないでしょうか。8月の鎮魂のために、自分の身の周りで「かたりべ」たりましょう。