おはようございます。
生き生き箕面通信1734(130921)をお届けします。
・たった一日だけの平和ですら実現できない人間社会
国連が「世界平和の日」を定めて31年。本日9月21日は、「世界平和デー」です。しかし、例えばシリアでは、今日もまだ一発触発の緊張が続いています。戦争の恐れから逃げ出した難民は、何百万人にも上ります。もう何か月も、何年も学校に通えていない子供があふれています。
ローマ教皇ベネディクト16世は今年初め、「世界平和の日のためのメッセージ」を発しました。
「平和を実現する人々は幸いである」とマタイ伝の言葉を引いて、平和実現のために立ち上がることを世界中の人々呼びかけました。
平和を危険にさらす原因として、儲けを優先する市場原理主義をあげ、こう批判しています。「わたしは、貧富の差の拡大と、利己主義・個人主義的なものの考え方(それは無軌道な金融資本主義にも示されています)の支配によって生じる、緊張と対立の温床となるものに憂慮を感じています。さまざまな形のテロと国際犯罪に加えて、原理主義と共振主義が平和を危険にさらしています」と。
「罪とは、利己主義と暴力、貪欲と権力欲、支配欲、不寛容、憎しみと不正な構造です」と指摘。これらを超越して、平和を実現しようと強調しています。
「平和は、自由のうちに、人格の尊厳に即して実現される秩序です。平和は夢でもユートピアデモありません。平和は可能です」と、強く訴えています。そして、「平和を実現する人は、いのちを完全な意味で愛し、守り、推進する人である」とし、「平和を実現するための道は、なによりもまず、人間のいのちを尊重することです。完全ないのちは、平和の頂点です。平和を望む人は、いのちへの危害や犯罪を容認することができません」
「平和を実現する人々は、過程の共通善と社会正義に対する熱意と、効果的な社会教育への取り組みを深めなければなりません」
「復讐を否定してください。自分の過ちを認めてください。とがめだてをせずに謝罪を受け入れ、ついにはゆるしてください」
「どうか諸民族の指導者を照らしてください。彼らが、その市民の正当な福祉を配慮しながら、平和という貴いたまものを守ることができますように。すべての人の心を燃え立たせてください。彼らが分裂をもたらす隔ての壁を打倒し、相互の愛のきずなを強め、他者を理解し、侮辱した人をゆるすことができますように」
以上、教皇のメッセージ、おわり
本日はニューヨークの国連本部において「平和の鐘」を鳴らす式典が行われます。この鐘は日本の国会が寄贈したものですが、いまではこの式典自体が日本で報じられることは少なくなりました。
そして、安倍政権は憲法解釈を変えるだけで集団的自衛権を行使できるようにし、アメリカ軍とともに戦争をすることができる国にしようとしています。
人間という生物はどこまでどう猛なのでしょう。せめて一日くらい平和を実現できないものでしょうか。そしてそれを一日ずつ延ばしていけないものでしょうか。