作陶展に来て、褒めるモノ・・・。
作品より、古い家と庭・・・。
それでいいのか!アネゴよ!
まだまだ、家や庭に負けている・・・。
11年前に亡くなった父親は職人だった。
昔の職人だった。
昔の職人は商人の才能が無い人が多い。
ワシの父親も、その点だけは一流だった。
技術を金に変える事など、とても苦手だった。
それだけじゃないぞ。
家を作るのは仕事だったが、家庭を作るのはなぁ・・・。
父親として生活費を稼ぐという自覚は少なかった。
妻や子供を守るという自覚は少なかった・・・。
今、ワシにその血が受け継がれている・・・。
ワシは特に無愛想とも思わないが(ん?無愛想だ?)
人に媚びるのが苦手なのは職人の血だろうなぁ・・・。
父親の職人の血は姉御に受け継がれている。
モノを作るのは好きだし、得意のようだ。
ワシは母系統の祖母や曾祖母の血が濃いようだ。
見えない世界で仕事が出来るのは、その御蔭がある。
霊能者の祖母と浄化のプロの曾祖母の家系だ。
ワシの努力は・・・無いに等しい・・・。
今回は間にあわなかったが、考えていた事がある。
「氣入れ」の陶製グッズだ。
水類や他のモノを入れる陶器。
持ち歩く、身に付ける陶製品。
浄化や結界用としての陶製品。
そのうち作る予定でいる。
職人の大工の家はボロボロなものだ。
棚や引き戸も直さない。
ワシの知り合いの宮大工の親父さんもそうだった。
おかみさんが笑いながら言った。
「親子二人も大工がいて、家の棚は私が作る・・・」
職人が幾人もご機嫌で酒を飲んでいるが、
棟梁の家を直そうともしなかった。
ワシの実家もそうだった。
近所がどんどん綺麗に建替えていくのに、
我家だけは、取り残されて古いままだった。
子供の時は引け目もあった。
何が幸いするかわからない。
親父が貧乏だったから、家が残った。
古いまま、家が残れた。
家が自分で守ったのかもしれない。
今は周辺でも貴重な家となった。
(本館は 「氣の空間・氣功療法院」