伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
 伊勢の山々から志摩の海までの、自然史スポット&とっておき情報など…。
  感性の趣くままに-。

古い絵葉書に見る、伊勢志摩の名所風景

2013年03月01日 | 伊勢志摩国立公園の自然と風物
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 伊勢志摩は、志摩半島北半の複雑なリアス式海岸や多島海(鳥羽湾)と、隆起海食台より成る有湾台地の樹枝状の入江(英虞湾とその周辺)が、背後の濃緑(こみどり)の壮年期山地と共に、一体となって自然美を折り成す、風光明媚な海の国立公園である。
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 この自然公園には、伊勢神宮があり、伊勢市の前身である神都・宇治山田市までは、明治期より順次鉄道が整備され、多くの参詣者や観光客を運んだ。その後は国鉄が鳥羽まで延長され、又、鳥羽からは南志摩の拠点の鵜方、賢島(志摩市阿児町)へと、ローカル電車(通称、志摩電)が通じた。
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 鉄道が開通すれば、まず主な停留所の駅前が整備される。そして次第に旅館や商店が出来、付近一帯の景勝地や名所・旧跡、名物などがクローズアップされ、当地への旅客を誘い、旅行者の関心を惹き付けたのは言うまでもない。 中には商店街やメインストリートさえ出来た町もあった。むろん戦前の話である。
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 昔と今では、交通事情も道路網も大きく異なっているが、鉄道の駅から遠くはなれた志摩地方の農漁村は、かつては幹線道路もバス一台がやっと通るだけの、未舗装のガタガタ道であった。今は、旧来の狭い国道も二車線に拡幅整備され、バイパス道路や農免路道なども出来て、たくさんあった巡航船の航路に代わって、自動車主流の時代となっている。 
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 現行の航路は、鳥羽湾の三つの離島と神島への市営船と、的矢湾の唯一の離島・渡鹿野島、並びに英虞湾の賢島 ~ 間崎(離島) ~ 先志摩(和具・御座)への巡航船だけで、幾つかの漁村をつないでいた海上輸送の航路は、昭和の半ばを境に全て無くなった。
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 伊勢志摩で大きく変わった風景は、まず旧国鉄や私鉄の終点やターミナル駅の駅前であろう。そして貨客船の発着港や漁港、市街地の町並みなども、戦前と戦後では大きく変わった所が少なくない。中には、戦後は全く失われてしまった鉄道や名所も数多くあり、そんなかつての懐かしい風景を、古い絵葉書から選り出してみた次第だ。
Yuubinkyoumae
 一枚一枚の古い絵葉書に見る風景は、レトロなノスタルジーの絵世界でしかないが、そこには、発展途上だった頃の不便さを映しながらも、今ほどに環境を破壊する事のなかった、何かしら素朴な良さが顧られはしないだろうか・・・。


Takeden



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