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伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
 伊勢の山々から志摩の海までの、自然史スポット&とっておき情報など…。
  感性の趣くままに-。

英虞湾風物詩・その1

2010年05月04日 | 伊勢志摩旅情

波静かな英虞湾

 英虞湾の旅 ‐‐ 波静かな多島海 ‐‐

 昨年(2009年)の真夏の出来事…。賢島から巡航船に乗って、初めて英虞湾内の人の住む最大の離島、間崎(島)に上陸をした。天気もほぼ晴れ。暑い日差しの中、船のデッキに立つと、相対的な潮風とともに波しぶきがとても心地よい。アメーバ形をしたその島は、波静かな内湾、英虞湾の真っ只中にあり、西の大崎半島と東の登茂山半島の間に位置し、周囲の多徳島、横山島、土井ヶ原島、天童島、大高崎島、兎山(島)、などとともに、英虞湾内に多島海を形成している。

 間崎島、ウオッチング ・・・

 船着場は、ほぼ東西に延びる間崎島の最南端にあり、上陸すると西海岸から高台にかけて、島の西端部にひと塊の村落が層村を成している。人家は増改築が目立つが、木造の古い家々が多く、中には無人の小狭い立ち腐れの家屋も残存し、ひしめき合っている。島を取り巻く鋸歯状の海岸部には、かつて真珠養殖で繁栄した頃の作業小屋が残存し、その幾つかはまだ現役である。

 島の高台にて

 島の高台に登ると、東に縦貫する仮舗装の道路が続き、すぐ小学校の廃校があった。農道の周囲は雑木やブッシュに覆われ、道端に猫の額ほどの畑があり、トマトやきゅうり、茄子、かぼちゃ、サツマイモなどが一部で栽培されていたが、放置され荒れ放題の畑も少なくない。

 標高18.5mの三角点付近から、北海岸へ

 おおむね島内の風景も、地質も、土地利用も、先志摩地方と殆ど代わり映えが無く、高台の道路からは雑木やブッシュが邪魔をし、海景も展望できず殺風景であった。灼熱の夏陽で汗ばむ中、時折ニイニイゼミの鳴き声が響き、つい子供時分の懐かしい田舎道のように思えつつ、半時間ほど歩いて、標高18.5mの三角点付近から、北海岸にある民宿に向かう崩れそうな急坂を下った。島の海岸からは、遥か向こうに賢島が垣間見られ、真珠筏が海面を覆い尽くしていたが、湖面のようなその間隙を、クルーザーが白波のシュプールを残しながらやってきた。

 旅情と郷愁の狭間で

 所用を済ませて、帰路に着いたが、この島も過疎化で若い娘はおらず、いかんともし難い爺々婆々の島であった。それでも初体験の間崎島は、昭和の前半にタイムスリップしたような古風な風景や風物が、エキゾチシズム(旅情)とは別に、忘却していた郷愁を満たしてくれた。

 島通いの巡航船

 渡船前には、歌謡詞の素材を得てこようと考えていたが、離島ならではの旅情には程遠く、詩情の乏しいひっそりとした間崎島であった。 日帰りとは言え、好天に恵まれた島通いの巡航船での英虞湾は、実に快適であった。

多島海、英虞湾

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