北大ボートblog

北大ボート部部員によるほぼ定期更新ブログ。

ボートを漕ぐように、ページを繰る

2020-04-21 19:04:40 | 徒然なる

こんにちはこんばんは。3年目漕手の青木真太郎でございます。ちょうど1カ月ぶりの更新です。

 

新型コロナウイルスが猛威を振るい、皆さま、お家でどのように過ごすか工夫をされているかと思います。

 

 トレーニングのみならず家でどのように部員が過ごしているのか、気になっている方もいらっしゃるかと思い、このブログを読んでくださっている皆さまに最近僕が家ではまっている時間の過ごし方についてご紹介しようと思います。

 

 最近、僕は読書にはまっています。今まで忙しさを言い訳に全くといっていいほど活字に触れていませんでしたが、ついに本を読み始めました。実家に頼んで、本を適当に見繕ってもらって読んでいます。一応何となくこちらの要望を伝えてから送ってもらっているので、僕の興味があるものが多いです。

 

読んでいる本をいくつか、ご紹介しようと思います。(写真を回転させる方法が分からなかったので見にくいですが、ご容赦ください)

 

 

筋肉の栄養学 強い体を作る食事術  川端理香 著 朝日新書

 本書では、管理栄養士で、元日本オリンピック委員強化スタッフであった著者が自らの経験と最新の知識をもとに、いかに食事で筋肉をつけるか、ということを紹介しています。この中で我々の食材に関する知識について面白いな、と思ったことがあります。「ほうれん草は鉄分が豊富」というのは常識として認知されているかと思いますが、実はほうれん草単体では吸収率が非常に悪いのです。詳しくは本書を読んでもらうとして、要するに食べ合わせが大事、ということです。

 本書では具体的なメニューなども紹介されており「今日からできる!」内容になっています。ただひとつ気をつけてほしいのは参考文献が巻末にまとまっているわけではないのでエビデンスが、すこーし薄いのかなという印象がぬぐえませんでした。いろいろ試してみて自分の体と相談しながら実践するのがいいかもしれませんね。

 

クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉崎等 片山龍峯 著 筑摩書房

 題名だけをみると、めちゃめちゃ特定の場面にのみ使えるハウツー本に見えるかもしれません。しかし、さにあらず。幼いころをアイヌの村で暮らし、山の獣を狩ることで生活を立て、自分の師匠はクマだ、と言って憚らないハンター姉崎等(あねさき ひとし)の人生や山での生き方、クマとの付き合い方を丁寧に著者が聞きとって書かれたものです。

 姉崎さんは札幌近郊の山での猟を多く行っており知っている地名が多く出てきました。どのように獣の思考を読み、獣を狩るか、という命のやり取りから人間と自然との共生というテーマまで幅広く議論されており経験からくる言葉には重みが感じられました。もちろんクマにあったらどうするのかも、とても細かく書かれています。クマに出会う予感のする方は是非ご一読を。

 

生命の始まりを探して僕は生物学者になった 長沼毅 著 河出書房新社

 中学生程度の読者を想定した読み物で非常に読みやすいです。時々テレビへの出演もある長沼さんがいかにして生物学者、しかも生き物がいるとは到底思えないような「極限環境」に生息する生物を研究するに至ったのかがユーモアを交えて書いてあります。

 彼の人生にかかわってきた様々な極限環境に棲む生物についても紹介されており、生物科学科の僕も満足な内容でした。誰も見たことがないような生き物に興味のある方は是非!この本も参考文献の細かい紹介などは特にありませんので気になったら自分で調べてみると、面白いことが分かるかもしれません。

 

ウイルスの意味論 生命の定義を超えた存在 山内一也 著 みすず書房

 この本は今般の新型コロナウイルスでウイルスについて興味が出てきたので読んでいます。以前から折に触れてウイルスの性質や生き方を紹介する書籍は読んでいますが、これはかなり詳しく書かれている部類に入ると思います。もちろん、参考文献も明示されています。ウイルスとは、生き物のようでいて生き物ではない。でも完全に無生物ではないと言い切ることもできない。そんな微妙な存在でありながら、いや、それゆえにその性質は驚きに満ち溢れています。

 特に驚いたのは一度生物の遺伝子に組み込まれたウイルスを構成する遺伝子がある刺激によって目を覚まし、体の中でウイルスを作り出してしまう、ということです。ウイルスが感染しているわけではないのに遺伝子が組み込まれていることで感染する、というのはかなり衝撃的でした。本かアニメが一本作れそうだ、と思っていたらなんと、上橋菜穂子の『鹿の王』はこのことから着想を得たとか。作家の知識、恐るべし。

 改めて自分の読んだ本を見てみると、ボート部的な内容のものは意外と少なかったですね。ただ、きっとどこかでつながっていくんだろうなという気もしています。

 こんな感じで、読書ライフをエンジョイしております。部員同士のZoomを使ったミーティングでも自分が読んでいる本を紹介しあっていたとか。互いに刺激しあって教養を深めていけるのは時間のある学生ならではだな、と思っています。

 

最後になりますが、まだまだ自粛ムードは続いていきそうです。皆さまくれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください。

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