語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】風邪を予防する条件

2017年11月19日 | 医療・保健・福祉・介護
 注意しているつもりでも風邪をひいてしまうことがある。反対に同じ家に住んでいて、一人だけかからない人もいる。
 こうした状況はなぜ起こるのか。保健所でもらった「保健の窓」という冊子からご紹介したい。
 感染症にかかる条件は「病原体がいること」「感染経路があること」「免疫力が低下していること」の三つ。逆に言うと、この三要素がそろわない限り、感染症は発生しない。、この時期、風邪やインフルエンザウイルスはどこにでも存在するが、感染経路を断ち、免疫力を上げることで対処できるのだ。
 経路について、ウイルスの感染は、「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3パターンのどれかで起こる。マスクを着用すると自分の中のウイルスを飛ばさず、人の飛ばしたウイルスを防御するにも役に立つ。接触感染は、手洗いを十分にするだけでなく服やタオルをよく洗うことや、食べ物を電子レンジで十分に加熱することが、予防につながるそうだ。さらにバランスの良い栄養の摂取や運動を行うことなどで免疫力の低下を抑えて、風邪の予防に励みたい。

□南雲つぐみ(医学ライター)「風邪を予防する条件 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年11月16日)を引用
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【本】80年代中世ブームの傑作 ~『一揆』~

2017年11月19日 | 批評・思想
★勝俣鎮夫『一揆』(岩波書店、1982)

 『応仁の乱』(中公新書)に始まる室町時代ブームは、出版界にとって近年で最大の「想定外」といってよいだろう。よくある対立構図を用いず、歴史の中で翻弄され、もがく人物を淡々と描く。昨今の室町時代関連本の筆致は、英雄譚や人生訓に着目した従来の歴史読本とは一線を画している。
 もっとも、1980年代にも――偉人や支配者の記録ではない――民衆史としての中世に注目が集まったことがある。当時は網野善彦氏の著作がよく読まれたが、『一揆』も代表的な一冊だ。一揆を民衆の抵抗、一種の原初的な革命運動として捉えた視点には今日では批判もある。
 しかし、“一揆の時代”だった室町時代を理解する上で、かつてのブームを振り返る作業は実り多いものとなるはずだ。

□飯田泰之(明治大学政治経済学部准教授)「80年代中世ブームの傑作 ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年11月11日号)
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 【参考】
【本】万華鏡のように迫る名著 ~『新装版 資本主義・社会主義・民主主義』~
『【本】『世界をまどわせた地図』
【本】率直過ぎる米情報将校の直言 ~『戦場 -元国家安全保障担当補佐官による告発』~
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~」」
【本】舌鋒鋭く世の中の本質に迫る/地球規模で読まれた洞察の書 ~『反脆弱性』~
【本】【神戸】「自己満足」による過剰開発のツケ ~『神戸百年の大計と未来』~
【本】英国は“対岸の火事”にあらず ~新自由主義による悲惨な末路~
【本】人材開発でもPDCAを回す ~戦略的に人事を考える必読書~
【本】仮想通貨が通用する理屈 ~『経済ってそういうことだったのか会議』~
【本】進化認知学の世界への招待 ~『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』『動物になって生きてみた』~
【本】「戦争がつくっった現代の食卓」 ~ネイティック研究所~
【本】IT革命、コミュニケーションの変容、家族の繋がりが希薄化 ~『「サル化」する人間社会』~
【本】生命はいかに「調節」されるかを豊富な事例で解き明かす ~『セレンゲティ・ルール』~
【本】メディアの問題点をえぐる ~『勝負の分かれ目 メディアの生き残りに賭けた男たちの物語』~
【本】テイラー・J・マッツェオ『歴史の証人 ホテル・リッツ』
【本】中国から見た邪馬台国とは
【本】核兵器は世界を平和にするか ~著名学者2人がガチンコ対決~
【本】『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』
【本】梅原猛『梅原猛の授業 仏教』
【本】東芝が危機に陥った原因は「サラリーマン全体主義」 ~『東芝 原子力敗戦』~
【本】バブル崩壊後の経済を総括 ~『日本の「失われた20年」』~
【本】20世紀英国は実は軍事色が濃厚 ~通念を覆す『戦争国家イギリス』
【本】時代による変化、方言など ~『オノマトペの謎 ピカチュウからモフモフまで』~
【本】冷笑的な気分に喝を入れる警告と啓発に満ちた本 ~『日本中枢の狂謀』~
【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~
【本】日本近現代史を学び直す ~『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』~
【本】精神の自由掲げた9人の輝き ~『暗い時代の人々』~
【本】遊牧民は「野蛮」ではなかった ~俗説を覆すユーラシアの通史~
【本】いつも同じ、ブレないのだ ~『ブラタモリ』(1~8)~
【本】分裂する米国を論じた労作 ~『階級 「断絶」社会 アメリカ』~
【本】否応なきグローバル化、つながることの有用性 ~「接続性」の地政学~
【本】読書の効用、ゆっくり丹念な ~より速く成果を出すメソッド~
【本】国谷裕子『キャスターという仕事』