語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【本】梅原猛『梅原猛の授業 仏教』

2017年09月03日 | 批評・思想
★梅原猛『梅原猛の授業 仏教』(朝日新聞社、2002年)

 本書は、仏教を中学生に講義した内容をまとめたものである。著者の梅原猛は、道徳を基礎付けるのは宗教であるという信念に基づき、あとがきに(この講義が生徒の生き方を左右するかもしれないとの思いから)「難しい学問や思想をわかりやすくどのように生徒に伝えるか、改めて学者の力量が試される」と熱意を記した。
 梅原は、現代日本に足りないのは道徳で、それを正すには日本の宗教である土着の仏教を学ぶべきだと説く。語り口からは、哲学者でありながら、古代学や日本学を提唱し、歴史学者や僧侶との論争を物ともせず、自由な“梅原学”を生んだ自信が漲る。最澄と空海、法然と親鸞を比較し、自利利他の日本仏教を簡潔に説明する。中学生だけに聞かせるのはもったいない。

□庄司太郎(元アラビア石油取締役、オイルアナリスト)「梅原仏教で利他の心を知る ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月9日号)を引用
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