語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~

2017年07月26日 | 批評・思想
 
★E・F・シューマッハー(小島慶三、酒井慧・訳)『スモール イズ ビューティフル ~人間中心の経済学~』(講談社学術文庫、1986)

 資源の枯渇や公害によって大量生産・大量消費が「不可能になる」ため、質を重視した“人間中心の経済”へのシフトが必要──。シューマッハーが目指した資源・エネルギー使用量の少ない経済は、今日、一部が実現しつつある。
 ただし、その原動力は、資源不足や環境問題ではない。消費者の好みの変化こそが、最大の原因だ。その結果、企業は質を重視し、デザインやストーリーといった非物質的な特徴で競争している。1973年、本書の原著は、オイルショックへの警鐘として、世界経済への批判と提言として、一世を風靡した。一方、現代においては、革新的な経済システムの提言としてではなく、堅実に進みつつある経済のソフト化についてのヒントとして読み直してみる価値がある。

□飯田泰之(明治大学政治経済学部准教授)「物質至上主義批判の古典 ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月29日号)を引用
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