語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>福島県の中通りは「放射線管理区域」~住めない土地~

2011年10月31日 | 震災・原発事故
 福島県の中心部「中通り」(福島市、郡山市など)で、今、除染が盛んに行われている。【明石】
 だが、あそこは人が住むところではない。「放射線管理区域」にしなければならないところだ。普通の人は立ち入ることが許されないところだ。「中通り」は全部そうした汚染レベルだ。【小出】
 5月、ゴールデンウィークの頃、JR郡山駅の東口駅前広場で1.8μSv/時もあった。宿泊したホテル近くの居酒屋でも0.45μSv/時あり、酔えなかった。6月、JR福島駅前で0.9μSv/時もあった。【明石】
 8月4日、東北新幹線に乗ったら、郡山に近づくにつれ、放射線検知器のカウントがどんどん上がっていった。福島駅のホームでは、東京駅の10倍の放射線が検出された。あのあたり一帯が放射能で汚れていて、そこから新幹線の車内に向けて放射線が突き刺さってくる、という状況だ。公衆が行き交う駅のホームまで「放射線管理区域」にしなければならないほど汚れている。【小出】
 福島県の中通りを貫く東北自動車道も同じで、福島県内の高速サービスエリアには0.8μSv/時を超えるところももあった。【明石】
 そうしたところでは、必ず空間線量を表示する標識を立て、放射線管理区域に相当する汚染があることを警告しなければならない。【小出】

 なぜ、山下俊一・長崎大学教授、高村昇・長崎大学教授、神谷研二・広島大学教授が福島県の「放射線健康リスクアドバイザー」に任命されたのか。彼らでは福島県民を被曝から守れない。【明石】
 県の中心部であり、人口が集中する中通りを失ったら福島県は終わりだ。ここが「もう人の住めないところだ」と宣言されたら、福島県は崩壊する。だから、福島県は中通りだけは何としても生き延びさせたい、と思っているらしい。そこで、「少々の被曝はたいしたことはない」「安心だ」と言ってくれそうな人を連れてきたのだ。事実、山下教授はそう言った。【小出】
 福島県庁が建っているあたりが特に空間線量が高い。何かを象徴しているようだ。県民を「放射線管理区域」に縛りつけ、敢えて健康リスクを増大させていることへの“怨念”というか。【明石】
 福島県庁は知っているはずだ。ここがどれだけ汚染されているか、ということを。【小出】
 明日は死なないかもしれないが、3年後、5年後には福島県民の間で・・・・【明石】
 健康被害は必ず出てくる。笑っていようと、笑ってなかろうと。【小出】

 以上、語り手:小出裕章/聞き手:明石昇二郎「「冷温停止」「除染」という言葉に誤魔化されてはいけません」(「別冊宝島 原発の深い闇2」、宝島社、2011)に拠る。

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 10月29日、細野豪志・環境相は、福島県内の汚染土壌を収容する中間貯蔵施設を2015年1月から県内で稼働させる工程表を明らかにした。中間貯蔵の開始後30年以内に県外で最終処分すると明示した。【記事「汚染土壌、福島で中間貯蔵最長30年 政府が工程表」(2011年10月29日21時46分日 asahi.com)

 30年以内に県外で最終処分?
 「県外」の地方自治体が受け入れるかしら。沖縄の米軍基地は受け入れなかったのに。
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