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 秋は昨年度の車座集会27カ所に続いて、テーマ別区民意見交換会を重ねた。ほぼ毎週末、区民と向かい合って議論したり、ワールドカフェに参加した。また、「児童虐待防止」「いじめ」「環境・みどり」「都市農地」「公契約」等幅広いテーマで区民参加のシンポジウムが行われている。週に2回は、そうした機会をつくっているので、街を歩くと「あの時、意見を言った者です」と声をかけられることが多くなった。さきほど、今年になってから区民参加の場が何回あったかを集計してみると、車座集会10カ所、テーマ別区民意見交換会を10回、シンポジウムやフォーラムが13回で計33回となった。

 昨日のニュースで、東京町田市在住の世田谷区内の私立学校に通う中学1年生が、小田急線で亡くなり、残されたメモにいじめを示唆する言葉が書かれており、11月に保護者が学校に「いじめがあるようだ」と相談をしていたという。まだ幼き可能性にあふれた生命が失われたことに、強い衝撃を覚える。心から哀悼を捧げたい。詳しいことはわかっていない。ただ、何が問題だったのか、未然に防ぐ手だてはなかったのかを「大人の責任」として考えていきたい。危機に追い込まれた子どもにとって、私たちのつくっている社会は彼らに手をさしのべているのかどうか。子ども自身の視点からどう見えるのかがポイントだ。

→(参考)「いじめ」父親が相談 中1女子遺書(東京新聞)

  今年の秋、新学期に「いじめ」の危機を訴える子どもたちの声を受け止めようと、「せたがやチャイルドライン」が「いじめ特設電話」を実施した時、世田谷区も世田谷区教育委員会もバックアップした。この時には、世田谷区の小・中学生4万人以外にも、私立・国立・都立の小・中学校・高校にもチラシ配布に協力してもらった。その数は3万枚近かったと聞いている。つまり、世田谷区民も区外から通学している子どもたちも含めて、区立小・中学生以外にも、それだけ多くの子どもたちがいるということだ。

   先週、世田谷区では、子どもの生命・身体の危機を回避するためのサポートシステム「子どもの人権擁護機関」を子ども条例を改正して設置する準備を始める。たしかに、学校や教育委員会、学校カウンセラー、相談機関はこれまでも存在したが、私立学校や学習塾、スポーツクラブ等、すべての子どもを受け止めるには制度的な隙間もまだまだある。たとえば、区には「私立学校」を所管する部署は、今のところ存在していない。また、公立学校の生徒だからと言って、必ずしも学校や教育委員会の相談窓口を訪れるとは限らない。子どもの生命を危機回避で支えるために、機動性と独立性のある第三者機関が必要だと考えた。

[引用開始]

世田谷区議会 虐待防止に第三者機関 子ども条例改正案を可決

いじめや虐待から子どもを守る世田谷区子ども条例改正案が六日、区議会本会議で賛成多数により可決された。区は来年度から、子どもの権利侵害に対し、学校や保護者らに是正や制度改善を要請できる第三者機関を設ける。区はこれまで、子ども家庭課や教育委員会で相談を受けてきた。しかし、大津市のいじめ事件や全国的な虐待相談の増加を受け、より強い権限を持つ第三者機関を設置することにした。

 弁護士や学識経験者からなる人権擁護委員の下に、心理カウンセラーを含む専門調査員を配置。来所や電話、メールで相談を受け付ける。救済の申し立てがあれば、実地調査や関係者間の調整もする。必要ならさらに踏み込み、是正、制度改善を求め、結果を公表する。同様の取り組みは目黒区や豊島区ですでに始まっている。(東京新聞)

[引用終了]

  世田谷区で暮らし、学ぶすべての子どもたちを包摂するセーフティネットの構築のために、子どもたちの悲劇を水際で救出するために危機回避のサポート活動をより効果的に行うために総力をあげたいと思う。

 



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