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 連日の猛暑が続く中、少しでも涼しげでさわやかなもの見たいと思う。けれども、予算委員会のテレビ中継を見ていて、「菅総理の不機嫌な表情」が気になった。もともと、菅さんは「作り笑いのうまい政治家」とも言われていて、その笑顔で多くの人々を魅了してきた人だ。私自身は選挙中も「作り笑いが下手で笑わない」と応援者から苦情を受けていて、仮に答弁席に座っていたら菅さん以上の仏頂面にもなりかねないのだが。目下のところ、参議院議員選挙結果で、大逆風下にいることは間違いない。自民党に「気迫・気概を持って」などと激励されてほしくなかった。

普天間飛行場の辺野古移設で、菅内閣は「8月」はふたつの案を日米専門家協議でまとめるにとどめて、9月の名護市議会議員選挙、11月の沖縄県知事選挙などで「沖縄県民の民意を見極めながら、選挙後に最終合意をまとめたい」という方針を明らかにした。4月25日の沖縄県民大会(主催者側発表9万人が参加)によって、「沖縄県民の民意」は「県外・国外移設」で固まったのではなかったか。

仲井真県知事を中心に全自治体首長、全県会議員、そして全国会議員(下地幹夫代議士を除く)が壇上にあがって「普天間基地の県外・国外移設」を求めた大集会の「民意」をあざ笑うように、外務省・防衛省の安保官僚たちは「辺野古に決定。杭打ち方式」というリーク情報を一斉に流し始めた。「基地建設反対」が「民意」であっても、無視するに限る。かれらが受け入れることの出来る「民意」とは、「基地建設受容」以外にない。

もし、ここで菅政権が「8月辺野古工事案決定」という階段を上がってしまったら、「沖縄の民意を踏みにじるな」と反発が強まり、その勢いの中で、9月12日の沖縄版統一地方選挙、11月28日予定の沖縄県知事選挙で「基地建設反対候補」が勝ち続ける結果を生んでしまう。だから、あえて「確定していない」として反発を和らげ、「基地建設受容派」の議員や知事を生み出したいということだろう。

ところで、ここまで「見極める」のであれば、鳩山前総理はなぜ5月に「日米共同声明」を急ぎ、「最低でも県外へ」という持論を撤回しても「辺野古移転」になだれこんでしまったのか。このき日米共同声明に盛り込まれた「訓練地の徳之島一部移転」などは、現地の反対の声が強いということで「調査費」すら計上せず、すでに断念している。事実上、日米実務者間の「5月合意」はそのまま履行されることがない内容となっている。 現状のままで強権的に基地建設をしようというのなら、ふたたび「銃剣とブルドーザー」で襲いかかるか、許認可権限を沖縄県から取り上げ、住民の抵抗は警察力で排除する「成田方式」しかない。地元合意なき強行突破で基地建設を行なっても、運用に支障が出ることを日米両政府もよく知っている
はずだ。

 鳩山政権の失敗から菅政権は十分に学んでほしい。「11月まで先延ばしして沖縄の民意を見極める」と言いつつ、基地容認知事が当選すれば「これぞ民意だ」と最大限評価し、また基地反対派知事が当選しても「結果は斟酌しない」などと言って「辺野古工事方式最終合意」を結んで、沖縄県との対決姿勢を取る。

 オバマ大統領に対して、「辺野古新基地のみならず、沖縄県内移設は無理だ。普天間はただちに閉鎖してほしい」とストレートに交渉する以外に解決はない。

 鳩山前総理は「アメリカの要求」を100%受け入れて、持論を曲げて『辺野古決定』を急ぎ、そして責任を取って内閣総理大臣を辞職した。たかが、アメリカ軍基地の建設をめぐって、一国の総理が辞任するというのは「属国ニッポン」の悲しい現実を見せつけ、民主党が掲げた「緊密で対等な日米関係」ではなく、「緊密で従属した日米関係」を固定化した。

 その鳩山前総理の方針を踏襲するというなら、たとえ民主党代表選挙のハードルを菅総理が超えても、12月の「日米最終合意期限」はこの政権の命脈を絶つことにすらなりかねない。


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