静岡県伊豆の国市の高校1年生の女子(16歳)が、自分の母親(47歳)に毒薬であるタリウムを摂取させた殺人未遂容疑で逮捕された事件は、佐世保事件を昨年取材した私にとって、重く暗い気持ちを増幅させらさる。
報道によると、女子生徒は母親の入院先でコップを洗うふりをして毒物を付着させたと警察で供述しているという。また自宅の部屋からは、薬物の入ったビンや小動物の死骸などが発見されたらしい。
背景にいじめがあったのか、どうか。まだ、私たちには警察発表をマスコミが取材した第一次情報しか与えられていない。ただ、被害にあったのが母親で、容疑者が娘であることには着目しておきたい。
早期教育でも母子一体化が起きやすいのは、男の子ではなく女の子であり、母と娘の葛藤はどの家族でも一般的にある。ブログが急速に普及して、私も毎日書き続けているひとりだが、母親の衰弱過程を公表するツールとしてブログが使われたということもヒントになるかもしれない。
匿名ながら、不特定多数の人々の耳目をひきつけて、フィクションにしてはリアルな日記を公開していく。そんな「場」と、時間をかけて母親が衰弱していくという「現実」がどのように交錯していたのか。
学校内での孤立化やいじめがあったのか。あるいは、それは表層の出来事にすぎないのか。まずは、じっくり見続けていきたい。
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