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シークワサージュースを飲みながら、沖縄そばをすする2泊3日の滞在を終えて、東京に戻る飛行機に乗っている。昨晩は、昔から交流のあった沖縄の人々と深く意見交換する機会もあり、参議院全国比例区で公認される経過と、沖縄県民大会を踏まえた「普天間基地問題」の今後などを語り合った。教育関係者も多く、「格差・貧困」「子ども・若者」をテーマとして、かつて大型公共事業中心だった沖縄振興策を「人への支援」に切り換えることなどを語り合うイベントを6月にも企画したいという話になった。 

 昨日は、建築家の真喜志好一さんの案内で、辺野古の現地を再訪、そして、今まで行くことの出来なかった東村高江の「ヘリパット建設予定地前」の座り込みの場も訪問した。県民大会の翌日とあって、辺野古の座り込みのテントには,たくさんの本土からの訪問者が入れ代わり立ち代わりきていた。名刺を渡すと「連立与党」の前議員ということで反響も大きく、突っ込んだ話も聞くことが出来た。

「現行案、現行案と報道されているが、これは違う。現行計画なのだ」という指摘をされた。私も「現行案」という言葉を何気なく使ってきたので、「現行案」と言うと「ホワイトビーチ案」「キャンプシュワーブ陸上案」などと並列的に聞こえてしまうが、辺野古の現場では「現行計画」と生命がけで闘ってきたのだから、「案」という言い方にひっかかるのだと思う。もうひとつ、いつ「現行計画」に戻るかもしれないという警戒感も持ち続けているということ。県民大会の日の朝にも杭打ち方式で「キャンプシュワーブ沖修正案」が浮上している。

 政権交代をして半年間、「普天間基地」を「辺野古新基地」に移すという旧政権の日米合意は白紙撤回せざるをえない。しかし、岡田外務大臣も、北沢防衛大臣も、この点をアメリカ側にどれだけ強く伝えているのかが、最初のボタンの掛け違いを生んでいるのではないか。アメリカが「現行計画がベスト。他の選択肢はない」と言っても、「旧政権の約束した辺野古に基地建設をする可能性はゼロだ。絶対に不可能となったので、改めて協議したい」とはね返す以外にないのだ。

 名護の「おおしろ」という店で沖縄そばを食べて、東村高江に向かった。レンタカーで行ったが、結構、距離があって辺野古を出てから1時間はかかったように感じた。座り込みのテントには、高江の住民の人々と大宜味村から応援に来ていた人たちが座っていた。

 高江のヘリパット問題とは、「普天間」「辺野古」「高江」とつなぐパッケージでとらえていくべきだ。私は、真喜志好一さんから耳が痛くなるほどにこの「東村高江で起きていること」を聞かされてきた。この東村高江は、米軍の北部訓練場の南側にある。東村、大宜味村、国頭村にまたがる訓練場は、名護以北のやんばるの森の東半分に近い広大なもの。1996年のSACO合意で、北半分を返還することと、これまで北側にあったヘリパットを移設して、海からの進入路をつくることなどが盛り込まれていた。

 ところが、このヘリパットの規模は「直径40m」と広大なもので、アメリカ軍が近く配備を予定している垂直離発着輸送機オスプレイ(MV22)であること。海兵隊のホームページには、オスプレイがこの地のビーチから上陸訓練をしているイラストが掲載されていることなどを真喜志さんらが発見した。1998年に、この北部訓練場は世界で唯一のジャングルゲリラ戦のための「ジャングル戦闘訓練センター」となって、実戦さながらの激しい訓練が行なわれている。

 テントで座り込んでいるAさんの話を聞いた。
「今も、大きなヘリが来てですよ、2人一組で10人の兵士がヘリコプターからロープで宙づりになったまま、この道路の上を超えていくんですよ。凄い低空飛行だから音もひどい。サバイバル訓練で子になった兵隊たちが、重装備で道を歩いてきたこともありますよ。 し今度のオスプレイはダンプを3台乗せられるという大きなものでしょ。絶対反対です」

 オスプレイを実戦配備するにあたって激しい訓練を継続するために、辺野古の新基地から高江に飛んできて徹底的な訓練をやろうというプランなのだ。だから、この高江のオスプレイ用ヘリパットは強引につくるとなると、辺野古の新基地も連動して動き出すということになる。そして、現在ここで激しい訓練をしているのは普天間基地から飛び立った大型ヘリである。

 この北部訓練場では3村長との協定があって、「実弾訓練」は行なっていない。その代わり、模擬弾・ペイント弾を大量に使う訓練が行なわれている。驚いたことに、この北部訓練場の中に3つのダムがあるということだ。3つのダムが合流して福地ダムとなり、沖縄の重要な水源となっているという。Aさんは、「基地の中にダムがあるなんて聞いたことないですよね。実際にダムの底からは、ペイント弾や手榴弾などが沈んでいたと聞いたことがあります」と言う。

 那覇防衛局は、住民に対しての十分な説明もなく、オスプレイ用のヘリパットであることを認めずに工事を続けようとしている。座り込んで、これに反対している住民たちに対して、旧政権時代ではあるが「裁判」に訴えるという強硬手段を取った。現在も、高江の「ヘリパットいらない住民の会」の代表に2名に対して、裁判を取り下げていない。

 沖縄の基地問題を解決するためには、「普天間基地を完全撤去」し、「辺野古新基地建設」を白紙撤回させ、「高江ヘリパット」建設中止に踏み切るという3点セットで、ようやく対米従属の前政権の負の遺産を取り払うことが出来る。


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