昨年6月1日、佐世保市立大久保小学校で起きた同級生殺傷事件から1年が経過したばかりなのに、また学校教育の影の部分がクローズアップされるような事件が起きた。
35人の生徒が授業を受けていた教室に手製の爆発物が投げこまれ、ひとりが重傷、他の16人が入院するという騒ぎになった。学校側は否定するものの高校3年生(18歳)の加害男子生徒は「いじめ」を受けていて、恨みを持っていたという。
加害男子生徒は、無遅刻無欠席で言葉数少なく真面目な生徒だという。遅刻したのは事件当日の朝が始めてで、ホームルームに2分ほど遅れたという。いじめで蓄積したストレスが、いきなり暴発したのだろうか。「特定の生徒を狙った」という報道もあり、事態を見守るしかない。
従来の「問題児」とはうってかわって、「よい子」がある日、突然に暴発するという意味では、教師が犠牲になった寝屋川の事件にも共通点があるような気がする。寝屋川の少年には、いくらか前兆らしきものはあった。しかし、今回はどうだったのだろうか。
死者が出なかったのは幸いだが、爆発物の威力は相当なものだったようだ。もしかすると、「いじめ」という言葉だけで片づかないストレスが学校生活を覆っていたことも考えられる。いつだって、子どもたちの状況は重層的なのだ。いじめもあり、恋愛もあり、また受験もある。「暴発」にいたる前に小さく燃焼する術がなかったのか。考え続けていきたい。
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