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皆さんこんにちは。今年最後の記者会見で、今年度8回目の記者会見となります。

まず発表の前に最近の取り組みなどについて、4点ほどご紹介させていただきます。

昨日、基本構想が策定されたのを契機に、最上位の行政プランである基本計画について、区民参加のワークショップを開催しました。無作為抽出で、くじで区民にご案内状を出し、これに応じた20代から70代までの区民の方42名が集まりました。13時から開始して、夕方17時半までというかなり長い時間行われました。8つの班に、例えば、「子育て・若者」「高齢者政策」「文化」「自然エネルギー」などと最初に分けられ、次にそれぞれテーブルチェンジをし、違うテーブルに行き、2箇所くらいを転々としてから元のテーブルに戻ってくるというワールドカフェ方式でやりました。皆さん非常に熱心で、くじで選ばれ、案内状を送られて、これだけ長時間参加しようという方達なので、元々参加意欲が高い方が多かったわけですが、それぞれのプランを出し合って重ねていき、最後に班ずつで発表していただきました。実は、基本構想の策定についても、昨年6月に初めてこの方式でやり、これまで私が参加したものでも大体4回目になります。庁舎整備についてや保健福祉の政策についてもこのようにワールドカフェをやりました。普段、区政にあまり関わりのない方にも区政を知るきっかけになるということで、これからもこの方式を生かして区民の声を聞いていき、現在基本計画そのものを書き込んでいるところなので、ここで言っていただいたことに対して、反映できるというタイミングであることが大きな要素だと考えています。

 都市農地保全ということで、JA世田谷目黒と目黒区との共催事業で「都市農業ふれあいトークライブ」を行いました。青木区長、世田谷目黒の農協の飯田会長、それぞれの目黒と世田谷で営農している農家の方にも入っていただき、会場が満杯になりました。実はこの取り組みは2回目で、杉並区、JA東京中央との3回目につなげています。都市農地保全についての住民の意識を高めること、また、課題として税制改正などを自治体としても国に向けて積極的に動いていこうという話をしました。会場の下では、即売会が行われ、あっという間に地元の野菜が売れていき完売しました。

 昨日、区役所中庭で、第33回区民ふれあいフェスタを開催しました。これは33回ということで永年続いておりますが、障害者週間にあわせて開催をしたもので、約3200人の方がおいでになりました。障害当事者の方がそれぞれ表現をしたり、いろいろ発表を行いました。障害を持ちながら自立生活をしたり、あるいはそれを支えている皆さんなど43名の方に表彰をさせていただきました。

 次に、東日本大震災復興支援金なのですが、息永くつづけていこうということで、12月6日現在で90,368,694円という、9千万円という大台に乗りました。地元のイベントや子どもたちが剣道道場で10円、50円を集めていたりと、非常に広がりを持っております。4回に渡って、基礎自治体、市や町や村に子どもたちの環境改善のために役立てて欲しいということで直接お渡ししております。これについては来年以降も続けていきたいと思います。

ここまでが発表前のご報告で、これから発表に移らせていただきたいと思います。

 第一に、保育待機児の現状になります。今年4月の時点で保育待機児が884人と過去最多ということで、大変保育の場を探していらっしゃる保護者の皆さんにご迷惑をかけているわけですが、区では26年度中の開設分を1550人という目標をたて、努力をしてきました。実は、現時点での申し込み見込みとして、おかもと保育園の方は予定通り開園が間に合うのですが、(仮称)下馬4丁目、(仮称)玉川3丁目、(仮称)喜多見3丁目の3園が資材不足、職人不足の影響を受けて、8月あるいは7月というように4月1日の開園日がずれこむという問題が起きました。

これについて、3つの保育園で保育を希望されている方中心にどうなるのかという心配の声があり、区で緊急対策ということで、4月1日から、下馬4丁目については池尻小学校の敷地内、そして玉川3丁目については、東京都の土地なのですが、玉川3丁目の河川敷をお借りして、喜多見3丁目については、喜多見小学校の敷地内に、いずれもプレハブ園舎として、仮ですが緊急対策ということで、181名の1歳から3歳までのお子さんを受け入れます。そして、本格的に竣工した際には、区で場を整備をして、運営はそれぞれの園を運営する予定の社会福祉法人と保育士さん達が子どもたちを見るので、この仮園から本格の園にもそのまま移行していただくということになります。

なお、0歳児が27名という枠が残るのですが、育休の延長や周辺の認証保育所、あるいは保育室、保育ママなどで何とか対応してもらいながら、保育課の方では、1歳から3歳までの181人という枠をつくりました。金額的なことは1億2千万円以上かかるわけですが、先週の世田谷区議会の第4回定例会で、そのうちの2600万ほどの補正予算、まず初めに必要な部分について認めていただきました。したがって、変則の形ですが、4月1日のスタートに向けて現在準備をしているところです。何とか今8割ということで、あと2割の300人分足りないが、ここは家庭的保育であるとか様々なことで積み上げていこうとしていますが、1550人までなかなかまだ距離があります。これに関しては提案型ということで、事業者の方に場所を見つけていただき、保育園を運営していただくという、公募をかけていた応募の状況がまだまだ不足していたというのが正直なところです。新たな対応ということをこれから取り組んでいきたいと思います。

 これからの対応は主に2つやっていこうと考えております。これまで提案型ということで、例えばこの土地はどうだろうかとか、ここで保育園の運営ができるのではないかと社会福祉法人あるいは株式会社に検討されているところがあっても、土地の賃料の問題があり、なかなか一歩が踏み出せないということをお聞きしていました。そこで、民間事業者による保育園整備を促進する新たな2つの方法ということになりますが、1つはいわゆる土地の地代の料金補助、地代の賃借料の補助制度ということを見直していきたいと思います。現在、例えば1500万円の年間の賃料の土地を借りて、100名定員の保育園をスタートさせていく場合には、工事をしたり準備をしたりする年100%、開園した1年目が100%、2年目75%、3年目50%で、だいたい補助が終わるというスキームになっています。

 年間1500万円の賃貸料の土地を20年間借りるとだいたい3億円という土地に対する負担が事業者にとって発生することになります。これからは、1500万円の賃料に対して、準備をしている創設年度とオープンする開園年度には最大1400万円の補助をしますし、開園の翌年度からの19年間については、控除額を除いた8,888千円という形で援助をしていくこととなります。今までの制度だと合計4年間にわたって、開園からは3年ですが、4875万円の補助ということになります。今回の制度だと、合計で3億円の負担のうち、約2億円を区のほうで負担しサポートしていくということになるので、このことによって、二の足を踏んでいた事業者の方にぜひ保育園、保育事業に対して、展開をしていただくように、期待をしているところであります。先日20社の事業者の方が集まって、このスキームの説明をしてまいりました。これまで3年だった補助期間が20年まで拡大ということの効果で保育施設を何とか生み出したいと思っております。

もう一つの手法は誘致型です。区内には緊急性が高い地域というのがあるかと思いますが、世田谷区では国有地などを活用して、認可保育園を作っていくということを次々とプランニング、あるいは開園の準備に入っているわけですが、この国有地、国家公務員住宅は、例えば区の北側の烏山地域にはないのです。そういう意味では需要に対して、受け止めきれない場所があります。

こういうところを重点的に、緊急性の高い指定地域として、区が民間の土地、建物を直接借りるということにして、土地、建物をさらに区から事業者が借りて認可保育園を開設するという誘致型という手法を導入したいと考えています。土地のオーナーさんにとっては区に貸すのであれば安心して出来るという面もあり、よりスピーディーに区で確保した保育事業が出来る土地を民間の事業者とマッチングさせるということで、緊急性の高いエリアに限定して行っていきます。これに対する問合せが6件あったということになります、保育については以上です。

 新潟県十日町市との大規模災害時における相互応援協定を締結しました。
 世田谷区からある程度距離が離れていて、区と同時に被災する可能性が少ない自治体との間で協定を区としては締結しております。以前から群馬県川場村とは相互応援協定を締結していましたが、今年の1月には埼玉県の熊谷市、5月には茨城県のつくば市とそれぞれ相互応援協定を締結してきました。今回、11月15日に新潟県十日町市と相互応援協定を締結しました。平成16年に最大震度7の中越地震を経験しており、その後も水害や雪害等災害に対する取組みが常にあるということが十日町市の悩みでもありますが、世田谷区とは大変深い交流がありまして、新年の子どもまつりの際には、十日町市から雪をトラック何台かで持ってきていただいて、雪を使った滑り台などを作っていただくなど、これまでお付き合いをしてまいりました。今後も、適度な距離で相互の応援ができるような、協定が出来る自治体を増やしていきたいと考えております。

 次に防災アプリですが、12月10日からスマートフォンやタブレット端末用の世田谷区防災アプリを無料配信します。あらかじめアプリをダウンロードしていただくと、災害発生時に通信が途絶えたときでも、このマップ上で避難所や救護所、給水拠点などを検索することが出来ます。また災害時の区民行動マニュアルというのがありますが、この画面上でたどって探してみたり、家族の緊急連絡先をメモする機能などもあります。グーグルプレイやアップルストアにて、「世田谷区防災マップ」の名称で無料配信します。明日12月10日からダウンロードが可能になります。

 次に自殺対策についてです。平成24年は、全国で2万7589人、世田谷区では、平成23年の170人からは少し減ったが、それでも149人の方が亡くなっております。世田谷区は、人口10万人あたりの自殺死亡率ということでは、全国平均よりは少し低いが、区内の亡くなった方の統計を見ると特徴があります。世田谷区の場合は、20代、30代が占めている割合が全国と比べて多いということが分かります。女性は、20代、30代の率が高く、男性は若いだけに留まらず30代、40代、50台という働き盛りの年齢層がまんべんなく亡くなっているということになります。これまで自殺対策協議会を設置して、対策に取り組んで来たわけですが、NPOなどからの提案もあり、12月より国立東京医療センターなどと連携して、いわば自殺未遂で救急搬送される方についての支援モデルを構築いたします。救急医療機関である東京医療センターに搬送された方の、情報を区に提供していただいて、区のほうの相談支援チームが自宅訪問や電話連絡などで継続的に様子を伺ったり、継続的な支援をしていくというものです。これまで相談を開設してきましたが、一歩踏み込んで、ハイリスクということで、自殺未遂で救急搬送された方をもう一度命を支えていくという取り組みをすることで、149人という残念ながら亡くなってしまった方を少しでも減らしていきたいと思います。

 これで発表項目は終わります。

 2点ほどお知らせいたします。

 1つは、せたがやジュニアオーケストラ定期演奏会開催についてです。
 せたがやジュニアオーケストラ第4回定期演奏会が行われます、平成22年からスタートしているジュニアオーケストラで、オーディションで選ばれた小学校3年生から高校3年生までの82人がプロの指導で練習を重ね、この時期に開催される定期演奏会は、チケットが売り切れるほどです。12月15日日曜日に世田谷区民会館で開催いたします。

 最後に、ボロ市の季節になりました、今年のボロ市は12月15日・16日と、来年1月15日・16日の計4日間開催されます。430年の歴史を持っており、骨董品や着物、植木など700もの露天が並び、大変な人出となり、賑わいとなります。平成19年には東京都の無形民族文化財にも指定されている冬の風物詩ですので、ぜひご紹介いただければと思います。また復興支援物産展も今年で3年目になります。大変多く買っていただいているということです。なお、駐車場がないということは報道の際にお伝えいただきますようお願いできたらと思います。

 これで私からの発表は終わります。

質疑応答

 記者:待機児童への緊急対策ですが、この3園の開園が遅れそうなのはいつごろ判明したのか。なぜ、おかもと保育園だけは良く、3つはダメだったのか。また、なぜ0歳児を仮園で対応できないのか。資材や人材の不足により保育園に限らず他の施設にも影響が出ているのか。

 区長:おかもと保育園は、この3園に比べて少し前から準備をしていたので間に合ったものである。

 子ども部長:事態が分かったのは、10月後半である。それぞれの保育園運営事業者が入札をしたところ、応札をする事業者がいないと分かったのがこの時期である。先ほど区長から申し上げたが、区の待機児童が多くいるため、できれば全年齢を暫定でお預かりできればよいのだが、まず4、5歳については今も待機児がいないということ、それから育児休業の対応策も取り得る0歳児については、比較的面積が必要になるということや、待機児童が一番多いのは1歳児ということで、1、2、3歳について、7月、8月から同じクラスの友達がそのまま一緒に移れるようにと配慮させていただいた。

 記者:対象定員が全部で181人というのは仮園での対象ということなのか。本来の保育園の定員というのは何人なのか。

 子ども部長:181人というのは、本来の1,2,3歳の定員そのものであり、これに0歳が9名、それから4,5歳が、喜多見が26名、下馬四丁目が60名、玉川三丁目が42名という構成である。336名のうちの181人分を暫定で用意した。

 記者:4,5歳に関して待機はないということだが、定員があるだけなのか。

 子ども部長:新規開園時には、引っ越して来た方や転園を希望される方などが中心で、最初はあまり多くの方は入らない。ところが、翌年は3歳が4歳にもち上がっていくため、2年経つと満員になる。新園の場合はそのような形になっている。

 記者:この仮の保育園の整備に係る全ての予算額をもう一度教えて欲しい。

 区長:新年度の予算で間に合わない部分について、第4次の補正予算で認めていただいた。その金額が2,650万6千円。全体の費用が1億2022万ということになっている。

 記者:今後、今回対象の3つの保育園以外に、開園が遅れる可能性がある保育園がいくつあるか教えて欲しい。

 区長:遅れる保育園は今回の3園。その他にも7月や8月開園予定の保育園があるが、元々、土地の確保や、事業者の決定などの関係で、4月1日開園を設定していない。また、先ほどの質問への答えだが、区の他の工事では、相当多くの事業者が辞退をしてしまい、1社だけ残るというケースはあった。入札業者がいないというケースはまだないが、非常に危ない状況にはある。残っている保育園については、きちんと入札がされ、事業者が決まるように願っている。この予定だと、4月1日で630人程度整備され、それ以降、当初から4月1日予定ではなかったところで620人程度整備され、あわせて1,250人程度整備される。ただ、目標で掲げている1550人よりは下回っている状態である。

 

記者:今回このように開園が遅れて、仮施設を作ることになったことに対して、区長から利用者に対して何か一言あるか。

 区長:4月1日にオープンできれば一番良かったが、プレハブという形で、少し窮屈であり、また下馬の施設は開園する場所から1キロ以上距離があるなど、他の2箇所、喜多見と玉川については割と近いが、下馬の場合は遠くに行かなければいけないという点でご不便をおかけすることについては申し訳なかったと思っている。ただ、今後、世田谷区の中で先ほどご紹介したように、民間の土地に対する補助をこれまで5,000万円程度だったところを、20年通してみて約4倍にしたという意味で、事業者の参入を促している。これは株式会社も含めてだが、世田谷区の場合、非常に土地が限られているという問題を抱えているので、このような手を打っていくことによって待機児解消を構造的に、さらに重点化していく。今年準備している規模は、来春の1,500人という規模を少し下回っているが、次の年も1,400くらい保育園を作り続けるということで、待機児童の解消を目指していきたいと思っている。

 記者:民間の土地を区が借りて、それをまた事業者が展開するという手法で保育園を整備するということだが、23区内の、他の自治体の導入状況はどうか。

 区長:23区での導入例は聞いていない。世田谷区の場合、住宅が多くあり、地域によっては近隣問題として子どもの声に神経を尖らせる声も出てくる。あるいは、事業者とオーナー(地主)が顔を合わせて色々とやりとりすることで大変時間がかかる。今年これだけ建築資材不足や職人不足などで、工事がなかなか進んでいない状況である。区としては、非常手段を打たなければ保育園整備がとても間に合わない。長期に渡って区が借りるのであれば、もちろん目的が保育園でということは明示するが、オーナーはそれなら契約します、という方のスピードが出て、時間がかなり短縮できることが、この新しい考え方を導入した一番の理由である。

 記者:資材不足もしくは職人不足ということで、喜多見、下馬、玉川の3園に関しては、入札をしたが、手を挙げた事業者が全くいなかったということか。

 子ども部長:それぞれ違いはあるが、1回目の入札で1社も応札が無くて再入札をして1社だけ決まったというケース。その時にはもう工期を変更しないと応札がなかったということである。入札をしたけれども4社中3社が辞退してしまったということで、その1社についても工期の変更が無ければ札を入れられないということで、そういう前提で入札をしたというケースもある。

 記者:区の他の施設、道路や区の施設などでの資材人材不足の影響についてもう少し聞きたい。

 区長:入札 1回目に成立なしということはあるが、2回目でようやく何社か来ても辞退などが続き、なんとか1社が受注して決まったというように、全く空白で作れなくなったということはないのが現状である。園について、それぞれ事業者は保育士も抱えているわけで、園舎が出来なければやはり経済的にも大変な負担である。また、区としても利用者の色々な人生設計があり、保育園に入園できなければ、まさに人生プランが大幅に狂うことなる。3ヶ月とはいえ、仕事を辞めなければいけないという声もあった。今回、緊急的に小学校の中にプレハブを作らないと間に合わないということもあり、そういう対応をさせていただいた。今後、残っている部分についても、同じような結果にならないように区として対応を続けていきたい。

 記者:私立の認可保育園が遅れたということで緊急対策をやっているということだが、この間、プレハブ園舎の運営というのはどういう形態になるのか。

 区長:プレハブについては区で整備をし、運営については、現在建設中である園を運営する事業者とそこの保育士が子ども達をみる。したがって先生が変わってしまうということではなく、子ども達は保育士と共に、竣工した新しい保育園に移るという公設民営の様な形である。

 子ども部長:施設の類型としては、7月、8月以降は、認可された施設になるが、それまでは認可外保育施設という類型にあてはまる。

 記者:3、4ヶ月の間、利用者の方は、距離が離れている、施設の不自由さ、という話あったが、認可外保育施設という形でやることで利用者に何か不都合が出てくるのか。

 区長:認可保育園というのは、園庭があるなどという施設基準があり、きちんと認可された上でスタートしていくわけだが、今回は区でつくる認可外の保育施設なので、そういう点についてはご迷惑をおかけすることがあるかもしれない。小学校の中で、例えばボールが飛んできて怪我したということがないように、区としても教育委員会と相談をして、安全対策等しっかりやっていく。

 保育課長:認可外施設と7月、8月に移る認可保育園との大きな違いについてだが、保育室の面積、これは認可外保育施設にも基準があるが、約半分くらいの面積で済むような基準もある。お子さん達にとって保育環境としては手狭というのはある。

 区長:区で認可外の施設をつくっていいのかという議論はあったが、やはり3、4ヶ月という期間は子どもをどうするのかという区民からの声は必ず出てくる訳で、それに対して有効な回答が出来ないとすれば、こういうことで今回緊急措置をさせていただくという判断に至った。

 記者:公立の学校の敷地内に仮設の保育園が3ヶ月程出来る訳だが、今までこうした例というのはあったのか。

 子ども部長:これまでも世田谷区内の学校の施設内に、例えば学校の空き教室を使って整備する。あるいは、校庭に余裕があるところに整備するなどと12箇所の実績がある。

 区長:保育園をつくるときに、私が就任する以前だが、公園など区で持っている土地を検討し、学校の一角に土地を切り取って保育園をつくらせていただくなどして12箇所ある。ただし、今までは認可保育園であり、今回のような形とはまた違う。今回の件についても、それぞれの小学校関係者や地域の方にも何とかお願いをして認めていただくという形となった。

 記者:先月、東京都、品川、港、豊島含めて大型案件が軒並み辞退や不調という形で落札者がいないという状況があった。世田谷区では今のところそういったことは出ていないということだったが、来年度以降そういうことに対して対応策を検討されていることがあれば教えていただきたい。

 区長:全体的な建築需要、大震災復興関係工事があり、オリンピックが決まったということで特に拍車がかかったと思う。また、長期不況の中で、絶対的な建設労働者の数が半減している中で、特に熟練工の方がいないということと、現在も待遇が劇的に改善したわけではないが、これまでも仕事がないという非常に厳しい状態だった。区は区内の建設事業者と防災の関係で建防協というネットワークを組ませていただいている。やはり地元が困った時に、地元中心に工事をしてもらえるような、そんな信頼関係を築いていきたい。札を入れないとなってしまうと、まさに不調になってしまうわけで、そうならないようにこれから区としても努力していきたい。コミュニケーションを深めて、情報をしっかり出して行きたいと思う。

 記者:待機児童の緊急対策だが、今回の3つの保育園の建築についは資材不足、人材不足だったと思うが、緊急対策のプレハブ園舎をつくる工事は大丈夫なのか。

 区長:当然そこは心配したが、プレハブも色々なスタイルがあり、設計上、限りなく長期の仕様に耐え得るようなプレハブの作り方もある。学校のプレハブなどは、比較的そのように作っている。今回のプレハブは、広さはそれなりにあるが、四角いユニットといったものを使って廊下でつないでいくなどと、シンプルな構造でないとやはり工期的に厳しいということであり、ここは大丈夫かどうかということを、私の方で確認した。プレハブの方が遅れたのでは話にならないので、こうした工夫をして間に合わせていく。

 記者:今日の発表項目の自殺ハイリスク者支援のモデル事業で、このような取組みは他の自治体にあるのか。また、対象者の方で区に情報提供を同意した方に対して取り組むということなのだが、普通に考えるとなかなかそういうことは進まないという気がするが、その辺の考えというのはあるか。

 区長:NPO法人で自殺対策ライフリンクという、清水氏が代表でやっている団体から、自殺対策、特に世田谷区は若者に、力を入れて欲しいという要請を一昨年から受けている。他の区でいうと、荒川区ではそうした方を追跡していったところ一定の効果があったというレポートがまとめられていた。本人同意をどうするかという件は、保健所の方から説明する。

 世田谷保健所長:荒川区のケースだが、荒川区では日医大と東京女子医大と連携して取り組みを先行して進められていた。同意についてだが、大変難しい課題だと思っている。それについては、スーパーバイザーの方の助言を得ながら、東京医療センターの方でしっかりと同意について確認していただいた上で、可能な限り同意に努めていただくという事で当面対応していきたいと考えている。緊急搬送されて、おそらく治療後、退院してもいい段階で確認することかと思うが、医療機関にはしっかりやっていただきたいと思う。

 記者:もう一点、今日の発表項目とは別なのだが、八幡山の明大グランドが、当初、多摩テックの方に移転するという考えが示されていて、区の方で住民説明会などしていたかと思うが、延期という形で示されて宙に浮く形になっているが、こうした状況に対して区としてまずどう見ているかということと、今後区の方で何らか対応やお考えがあればお聞かせ願いたい。

 区長:この件は、平成26年6月に明治大学の八幡山グランド移転計画検討についてということで、明治大学側から協議の申し入れをいただき、8回に渡って意見交換会を重ねてきた。多摩テックに移転することで、その跡地についてどのように再利用していくかという、いわゆる地区計画をしていきながら一定の準備をしてきた。今回は明治大学の経営判断なのだろうから、多摩テック移転が最後のところで残念な結果になったことついて、手続きが中断することはやむを得ないとは思うが、一番問題なのは区や周辺住民にはっきりとした説明がないことである。やはり区は、8回も間に入って住民と協議する場を持ってきたので、一応まちづくりニュースで区の方から、明治大学からの中断の申し出ということはお知らせをしてきたが、当事者の明治大学の方からしっかり住民の方に説明をしていただきたいということを要請している。一日も早く今後どうするのかということを含めて、明治大学側の考えを聞きたいと思っている。今のところはまだ明治大学から回答ないので、早く答えていただきたい。日野市は世田谷区とは別の大きな問題を抱えていると思う。報道から推測するだけで、グランドをどうしていくのかということは、我々区にもまだ説明がないし、住民にもまだないので、この状態は非常によくない状態なので早く改善するように求めていく。

 記者:今日の発表項目とは関係ないが、2点。先週末に二子玉川のデジタル映像コンテンツ事業の関係の住民訴訟が棄却されたが、そのことに関してどのようなお考えかということと、今後の対応がもしあればお聞かせ願いたい。また、先日の定例会での議員から、「せたホッと」のことで質問があったが、90何件かの相談案件のうち、案件としてきちんと協議にあげる申し立てが数件ということを聞いたのだが、何も大きなことが無いことはいいことなのか、分からないのだが、相談をする方は勇気をもって相談に行くと思うが、相談件数に対して少ないのではないかと私としては感じたのだが、その辺りの対応などについてお聞かせ願いたい。

 区長:「せたホッと」は7月にオープンして、90何件のうち半分はお子さんから直接相談がある。その中で深刻なものは、いじめや暴力を放置するといけないと専門調査委員あるいは委員が判断をして、そして、所定の手続き、申し立ての手続きに入ったのが4件ということだが、この4件については学校に協議をしたり、あるいはこれをこのようにしてくださいと話し合いをしたりと進展していると聞いている。そのため、相談が申し立てにすぐに移行しないというのは、ある意味この種の機関としてはそんなにおかしなことではないと思っている。また、専門調査員が4人、委員が3人、事務局を含めると約10人前後のスタッフ体制になっていて、かなり電話がかかって来ていると聞いている。電話だけではなく、来てもらってお話しするという面談も回数も重ねていると。しかし、来てもらってお話をしたからといって、申し立てをするとは限らない。今回、本会議で、あるケースについて問題があるのではないかという指摘があった。そのことについては、第3者機関ということの性質から、独自性を尊重しながら、そのようなお話があったことについてきちんと伝えて、改善できる点については改善してもらうように求めたい。

デジタルコンテンツについては、運営しているNPO法人が、本来は、総務省が2億円の補助金を出すであろうという予定に基づいて運営していったが、総務省がこのNPOについて本当に大丈夫かと、補助金適正化法に基づく初の立ち入り検査と聞いているが、実態はどうもよくなく、計画化されたものが出来ていないと3千数百万円で補助金支払いを停止し、それにより、経営の展望が全くなくなってしまった。そこで、区としてNPO代表を呼んで本当にできるのかという問いかけをし、返事をもらったということは正しい判断だったと思う。しかし、世田谷区は1千万円の補助金を支出したし、東京都も1千万円支出した。どうして、こういうことになったのかを、弁護士を座長にする、いわば調査委員会を設置し、振り返りをした。振り返りの中でNPO選定過程の中で、反省をするべき点として財務諸表についてこの提出というところがしっかり完全にできていなかったこと等、いくつかの点を反省し報告書を受け区の見解をまとめ、一つ一つ失敗したことについて調査し反省をした。確かに区から1千万円の税金が出て行き、都からの補助金1千万円も都に返したので計2千万円の区税支出があり、前区政時代から受け継いだ案件ではあるが、一定の決着を私としてはつけたと考えている。



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