日本でチャイルドラインを広げようといる民間活動が始まって10年になる。私は、日本に初めてチャイルドラインを紹介し、政治の場で超党派でパックアップする議員連盟の活動を長年続けてきた。
電話料負担を気にしないで子どもたちが電話をしてくることが出来る全国統一ダイヤル=フリーダイヤル化が実現したのは2008年秋だった。子どもたちの電話は増加していき、全国のチャイルドラインにもひっきりなしに電話がかかっている。ところが、折からの不況で企業からの助成金などが削減され、電話料の支払いが大幅に増えることから赤字に陥るという事態になっていることを事務局からの通知で知った。チャイルドライン支援センターでは、7月末に「緊急寄付」を呼びかけている。ぜひ、『どこどこ日記』の読者の皆さんにも御協力をお願いしたい。
まずは、チャイルドラインについて、フリーダイヤル化が始まった2008年11月に書いた『どこどこ日記』を再録しておく。
〔引用開始〕
子どもの声を聴く 「チャイルドライン」
『保坂展人のどこどこ日記』教育・こども / 2009年11月22日
私の活動の原点は「子ども・教育」問題だ。永田町=国会へと行き着いたのも、ジャーナリストとして子どもの現場を歩き、「校内暴力」「いじめ」「体罰」などの事件を伝えて警鐘を打ち鳴らすという活動の繰り返しに一定の限界を感じたことも大きな理由だ。96年に国会議員となって、「文教委員会」でイギリスのチャイルドラインを紹介したところ、今回引退した小杉隆文部大臣が関心を示して委員会全体の関心が盛り上がった。
文教委員会としても現場を見に行くということになり、97年にロンドンのチャイルドラインを実際に訪れている。日本で「いじめ自殺」が何度繰り返されようと、相も変わらぬ「精神論」や「犯人探し」(学校が悪い、親が悪い、子どもが悪い)のワンパターンの議論が続くだけで、「今、危機に瀕している子どもがかけられる電話」を24時間ボランティアがとり続けているというイギリスの実験に大きく感銘した。
そして、文部省生涯学習局にイギリスのチャイルドラインを招聘してもらい、NGOも含めたシンポジウムを東京で開催し、同時に「チャイルドライン設立推進議員連盟」を結成した。いわゆる「超党派議員連盟」(現在はチャイルドライン支援議員連盟)だが、当初150人もの衆参議員が参加した。私はその事務局長を今年の7月まで続けてきた(03年~05年は水島広子さん。議員連盟の結成から2年後に「チャイルドライン支援全国センター」がスタートしている。
チャイルドラインは本格的な活動から10年目を迎え、ようやく他の国と同様のフリーダイヤル「0120-99-7777」を設置して、年間20万本の電話を受ける民間団体に成長しつつある。私は、日本に初めてチャイルドラインを紹介したジャーナリストとして、また設立前から環境づくりをしてきた者として、「在野」の期間を利用して更なる子どもと日本社会への浸透に向けてアイデアを出していきたい。
〔引用終了〕
そして、この記事の予想を超えて、2009年には約25万件の子どもたちからの電話を受けた。今年も電話は増え続けていて、このままだと赤字ということになりそうだという。チャイルドラインが日本の子どもたちの声の受け皿として常時活用される状態になればなるほど、社会事業としての存続が難しくなるというのが、残念ながらの実情だ。以下、チャイルドライン支援センターの「緊急寄付の訴え」を紹介する。
〔引用開始〕
【緊急募集】子どもたちの電話代確保のための、夏の特別寄付ご協力のお願い
なかなか先が見えない社会情勢の中、企業からの寄付は予想以上に厳しくなり、その半面、子どもたちからの電話は増えている状況で、今年は、電話代が1500万円を越える見込みです。
その結果、現在支援センターは収支のバランスをキープすることがとても困難になってきています。
このままいけば、今年度は700万円ほどの赤字が出てしまうという予想もあり、支援センターとしてはギリギリまでのコスト削減とともに、今なにか手を打たなければと渉外・ファンド部が中心となっていくつかの策を検討しています。
その一つが今回の緊急寄付のお願いであります。
状況をご理解いただき、できる限りのご支援をいただければと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
■寄付について
・今回の寄付は、会員(個人・団体)を問いません。
多くの方への呼びかけをお願いいたします。
・一口5,000円でお願いします。口数は任意です。
・振込先は以下のとおりです
<銀行>
三井住友銀行 浜松町支店 普通 6967526
口座名義 特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター
<ゆうちょ銀行>
振替口座 00120?5?425245
加入者名 NPO法人チャイルドライン支援センター
・今回の緊急寄付では、400口、200万円を集めることができればと考えています。
・期限は特に設けてはおりませんが、できましたら早めの入金がありがたいです。
■領収書の発行について
チャイルドライン支援センターは2009年4月1日より「認定NPO法人」となりました。当団体への寄附・募金につきましては、税制上の優遇措置(寄附金控除)が受けられます。税制優遇を受けるためには、当団体が発行する領収証(緑地/認定番号入り)が必要となります。領収書を郵送させていただきますので、以下の情報を、ファクスまたはメールに書いてお送りください。
御名前
お振り込み日
お振り込みの口数= 口(金額= 円)
領収書あて名
領収書送付先住所
※寄付にあたりましては、謝辞とともにニュースレター、ウェブサイトなどで御名前・金額を紹介させていただきます。公表を了承されない方は、右欄にチェックを入れてください。
□ 公表を希望致しません
<お問い合わせ・ご送付先>
チャイルドライン支援センター 担当:梅澤・太田(常務理事)/林(事務局)
TEL:03-5312-1886 / FAX:03-5312-1887 / E-mail:info@childline.or.jp
〔引用終了〕
引き続きチャイルドラインの状況を伝えていくことにしたい。
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