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 安倍官房長官の「隠密参拝」が明らかになった。
 これで、下馬評通りに安倍総理が実現したとすると、毎年の「総理大臣靖国参拝」は続くということになる。というのは、外交上の配慮から「総理大臣」「官房長官」「外務大臣」の参拝を避けるというのが、中曽根総理大臣の公式参拝中止以後の扱いだったからだ。官房長官で参拝するということは、総理になっても続けるというメッセージである。小泉総理が山口県入りして、吉田松陰や高杉晋作のゆかりの地を訪ね、安倍氏とのオーバーラップ作戦を繰り広げているさなかに「なぜか今頃」報道された。計算づくのリークだったのか。「内閣官房長官」と記帳することで「毅然とした姿勢」を装いたかったのだろうが、アジア外交の破綻状態を修復する条件は遠のいたと言えるだろう。

 昨日は、姜尚中・佐高信・天木直人・東門美津子の各氏と「テレビウワサの真相」(朝日ニュスター・放送は5日22時~24時)でレバノン情勢を中心に議論をした。この戦争は、すぐには止まらないし終わりのない戦争になる。アメリカが深く関与していて、国連は手をこまねいたままの状態となっている。イラクで袋小路に陥ったネオコンは、新たな戦争で活路を開こうとしている……などの認識で一致した。日本政府がアメリカの立場をただ追随するだけで、小泉総理はイスラエル・パレスチナを危機のさなかに訪問し、麻生外相もバグダッドを突如訪問したが、いずれも攻撃即時停止のために汗をかく気配もない。

 そのバグダッドでは、イスラム教シーア派による大規模な「ヒズボラ支援集会」が開かれて、イスラエルの攻撃を非難し、その後方支援国であるアメリカを批判する声が高まっている。今朝の衛星放送を見ていると、イスラエルの攻撃は橋・道路などの交通網、避難所、農場など「人々の生活・生存」に対しての攻撃であり、非戦闘員に対しての無差別攻撃であり虐殺である。こんな殺戮を「イスラエルの自衛権だ」と擁護するアメリカは、イラク占領でますます窮地に追い込まれる。イラクのシーア派はスンニ派支配のフセイン政権で抑圧されていて、アメリカとの関係は良好だった。現にイラクの新政権はシーア派主導で運営されている。レバノンのシーア派民兵組織であるヒズボラはイランとの関係が深いと言われている。イスラエルの非人道的攻撃がエスカレートするたびに、「感情のルツボ」が渦巻いて半年前には予想もつかなかった反米感情が噴き出してくる危険が強い。

 小泉総理・安倍官房長官の外交路線とは、「北朝鮮問題でアメリカの力を借りるから、その他の問題はすべて白紙委任」という図式だ。そのために日米同盟を地球的に展開し、自民党の改憲路線で「憲法9条2項」を破棄すれば、バグダッドはもちろん、アメリカ軍が派遣される中東の戦闘地域のどこへでも自衛隊が同行することになる。私たちにはそのつもりも自覚もないが、アラブ・イスラム社会に渦巻く「感情のルツボ」の標的に日本は躍り出ようとしている。「美しい国」どころか「アメリカ従属の節操のない国」ではないか。私たち自身が大量虐殺・ジェノサイドの加担者にならないために、小泉継承・安倍政治にストップをかけるしかない。


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