TOP PAGE BLOG ENGLISH CONTACT




(6月13日、大阪で開かれた「表現規制」を考える集会には90人が集まり熱い議論をした)

 東京都青少年条例の改正案が都議会最終日の昨日、本会議で否決された。反対したのは民主党、共産党、生活者ネット、自治市民、賛成したのは自民党、公明党、一人会派の日本創新党だった。傍聴者によると、自民党の都議が1人欠席していたというものの、民主党などの知事野党の議員数が数人上回るだけのきわどい力関係のなかで、表現規制をものともしない石原慎太郎都知事と青少年・治安対策本部の目論見をなんとか止めることができたと言えるだろう。

 直接この問題に取り組んだ都議会議員はもちろん、精力的に反対運動を展開したコンテンツ文化研究会や弁護士の山口貴士さん、藤本由香里さん、マンガ家、出版団体、読者など多くの方々の声が状況を動かすことができた。

 本会議の討論では、民主党の滝口学都議が「受容環境の整備」こそ考えるべきだと訴えたという。友人の宮台真司さんは、都議会の総務委員会や規制反対集会で、メディアの影響について「限定効果説」を紹介し、「家族や仲間と一緒に受容する場合、また事後に家族や仲間と内容について話し合う場合、マスコミ効果が中和される」「今日では、モノではなく関係性を、即ち、表現自体ではなく表現の受容環境を、制御することの重要性が広く認識されている。受容環境の制御が困難であるがゆえの次善の策として表現規制を持ち出す道理があり得るが、今回の条例改正はかかる道理を採っていない」と訴えていた。メディアを規制すれば事足りると考えている東京都のお粗末さは言うまでもない。

 生活者ネットの西崎光子都議は、都議会総務委員会で青少年条例に代えて「子どもの権利条例」を制定すべきと説いたという。青少年を保護の対象にするのではなく、権利の主体にすべきだと訴えてきた私も同感だ。

 しかし、報道によると、石原都知事は青少年健全育成条例改正の意志を捨てていないと表明している。9月か12月の都議会ではもう一度改正案を提出するつもりのようだ。本来なら、東京都や警察は新たな創作物規制をあきらめ、廃案を受け入れるべきではないか。

 都議会には4万5000通の条例強化を求める要望書が届けられたそうだ。ひとつは、東京都小学校PTA協議会によるもの。会長は、条例改正の道筋を付けた青少年問題協議会の委員でもある。いわば「当事者」だ。もうひとつは東京都都私立中学高等学校父母の会中央連合会と東京私立初等学校父母の会連合会、都私立幼稚園PTA連合会の3団体連名の要望書。都議会議長宛に3万2331筆の署名を添えて成立を求めた。

 さらに、「子供の環境を守る会」という団体が筆頭になった15団体が1万11884筆の署名を議長に提出した。連名している団体は「有害環境から子供を守る会」という名称が基本になっているようだ(ただ、どういうわけかどこの報道機関も15団体の動きは伝えていない)。

 これらの人々には、行政に規制を頼むのではなく、親子の関係を問い直し、おおらかに創作物について語り合える「受容環境」づくりをぜひとも考えてほしいと強く願いたい。引き続き、東京都の動きを監視していくつもりだ。

〔企画情報〕

子ども・若者と育む沖縄の未来~基地の島沖縄を考える~【沖縄】
日時:6月18日(金)19:00~
会場:沖縄大学・本館B101号教室
発言(予定):加藤彰彦(沖縄大学学長)
        保坂のぶと(前衆議院議員)、
        比嘉勝子さん(沖縄なかまユニオン)、
        KEN子(ミュージシャン=オープニングミニライブ有り)

6.20保坂のぶとさんと考えよう!【千葉】
裁判員裁判と死刑制度 あなたは死刑判決を下せますか
日 時 :6月20日(日)18:00~
会 場 :松戸市民会館101号室
話 し :保坂のぶと(前裁判員制度を問い直す議員連盟事務局長)
参加費:300円
主 催 :裁判員制度を考える会・松戸
問合せ:東葛総合法律事務所 TEL047-367-1313

がんばれ!森原秀樹 がんばれ!社民党 南部の集い【東京】
日 時 :6月21日(月)18:30~
会 場 :港勤労福祉会館1F集会室
訴 え :森原秀樹(参議院東京選挙区予定候補)、保坂のぶと、福島みずほ
参加費:無料
主 催 :南部実行委員会
問合せ:全国一般労組東京南部 TEL03-3434-0669





 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 東京都青少年... 沖縄の子ども... »