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[2013年9月6日定例記者会見]   

みなさんこんにちは。只今から9月6日(金曜日)、今年度第5回目の記者会見を始めさせていただきます。

   まず世田谷区では、8月に大きなイベントがありました。ふるさと区民まつりには、8月3日、4日の土日に2日間で33万人という大変多くの方にご来場をいただきました。昨年は32万5千人なので、5千人程多かったということになります。


 36の交流自治体が、たくさんの特産品や名産物を持って駆けつけていただいたふるさと物産展は、非常に人気がありました。また、自治体の首長が懇談会を開き、年1回お会いしていますが、観光や雇用、さまざまな自然エネルギーの活用などの連携を区民まつり以外でもしていきたいというお話をしました。


 第35回花火大会は、8月17日に開催され、37万6千人と、昨年より1万人多くの方にお集まりいただきました。立体ワイドスターマインは非常に珍しいもので、大変好評でした。東北3県の花火師の方の故郷への想いを込めた、都内でも有数の特大10号玉は非常に壮大で、彩りを添えました。天候不順の中で、開催日の天候を大変心配していましたが、順調に開催できたことに感謝申し上げたい。

  続いて、つい先日100歳になった方を訪問して参りました。今年該当の方は、100歳が世田谷区内で170人、88歳の方は3,231人というように大勢の方がいらっしゃいます。お会いしたのは、区内にお住まいの世田谷生まれの男性で、歯は全部自分の歯で、「健康の秘訣は、お母さんに30回噛みなさいと言われたことを実行していたことだ。」とおっしゃっていました。

 100年という長い時間生きていらっしゃるので、今年、関東大震災から90年ということで、「関東大震災の記憶はありますか。」と聞いたところ、「ここの家が古い家だったのでお母さんと食事をしていたときにガタガタと揺れだし、とにかく転げながら庭の木につかまって、大変揺れが長かったことを覚えている。」といった話を聞かせていただきました。100歳以上の方は世田谷区で407人と多数いらっしゃいますが、高齢者の方が、地域で孤立することなく近所の皆さんに見守っていただきながら、元気に暮らしていけるような世田谷区にしていきたいと思います。

  次に、高齢者のことについて、大変残念な情報になりますが、熱中症対策についてです。今年の夏が異常に暑いと言われていることですが、この夏にご自宅で、熱中症で亡くなった区民の方が、現在のところ9名と大変多くの方が亡くなりました。90代の方が2名、80代の方が3名、70代の方が2名ということで、77%の方が高齢者であります。特徴は、エアコンをお持ちでない方、あっても故障している、エアコンはあるのだけどスイッチを入れていない、などが確認されました。都の統計でも熱中症で亡くなった方、特にお部屋の中でというのが大変多いということで、65歳以上の方が9割、また単身者が6割ということになっています。
 

  区ではこれまで、熱中症予防を呼びかけるちらしをお配りしたり、あるいは、一歩歩いたところで給水ができ、涼むことができる「お休み処」を区内約200箇所に設置するなど行ってきました。しかしながら、外に出るまでの体力がない、暑過ぎて外にも出にくい、という中で、体温調節機能が非常に低下しているような高齢者が、今回の猛暑の中、部屋の中で亡くなっています。また、亡くなられた日も同じ日に集中していることも見受けられ、重大な事態だろうと考えます。この重大な事態に鑑みて、これから庁内関係機関によって、熱中症対策検討チームを立ち上げ、「お休み処」は続けていくわけですが、熱中症の危険から、部屋の中にいて単身独居で暮らしている方の命をどうやって守るのか、様々な各自治体の努力も参考にしながら、対応策を検討していきたいと思います。

 発表項目に移ります。

 一つ目は「世田谷区基本構想(案)について」です。
 基本構想審議会の答申を受けて、区の基本構想(素案)として、区民の皆さんに説明してまいりました。またシンポジウムや区内5地域でのタウンミーティング、区のおしらせや区ホームページなどを通して、区民の方のご意見をパブリックコメントという形でお寄せいただきました。422名の方から、715件にわたるご意見をいただいております。ありがとうございました。こうしたご意見などを踏まえて、基本構想(素案)の記載を一部修正させていただき、基本構想(案)ということで、まもなく始まる9月の第3回区議会定例会に提案させていただく予定です。世田谷区の新しい将来ビジョンとして、多くの区民の方に知っていただき、区民のみなさんと共に一歩を踏み出したいと思います。

次の項目になります。「世田谷区公共施設白書について」です。
 世田谷区には現在、855の公共施設がございます。児童館と図書館の併設などを重複して計算していますので、実際の建物の数となると605施設ということになります。こうした施設のほとんどが、昭和30年代半ば以降、人口が非常に増えてきたことで、どんどん作られていきましたが全国的な傾向かもしれません。当区でも施設の老朽化という困難な課題を抱えております。現在ある施設を改築や改修などによりそのまま維持していくだけでも、今後、30年間で4,875億円、1年あたり163億円という莫大な経費が必要となるという試算もあります。

こうした限られた財源の中で、これからの区民ニーズや社会情勢に対応していくためには、公共施設の総量を抑制しながら、その役割を現代的に位置づけなおし、改築改修、あるいは維持管理にどのような形で手をかける事が一番良いのかをしっかり議論して、来年3月を目途に世田谷区基本計画の中で公共施設整備方針を策定していく予定であります。


 次に「みどり計画書制度の拡充について」です。
 区制100周年となる2032年、ここで区内のみどり率を33%に持ち上げていこうというのがみどり33の取り組みです。この間、区立公園を作るなど、公共用地の緑被面積は確実に増加しているのですが、区内6割を占める民有地のみどりが大幅に減少しています。平成18年からの5年間で79.19ヘクタールというように大きく減りました。結果として平成23年のみどり率は24.6%となり、5年前より約1ポイント減少していることになります。

 区では民有地の緑化を推進していくために、「世田谷区みどりの基本条例」によって、一定規模以上の敷地で建築行為を行う場合に「みどり計画書」の提出を義務付けております。現在、対象となる敷地は、250平方メートル以上としていますが、より広い範囲の敷地を対象としていくため、これからは対象敷地を原則として150平方メートル以上にしていこうという条例改正を予定しています。この改正により、現在、年間約450件の届出件数が年間約1,100件と約2倍になっていくだろうということで、具体的な効果としては、樹木の本数に換算して年間約2,500本分、約1ヘクタール相当の緑化が進んでいくだろうと想定しています。

 みどりの減少は、農地の減少も非常に大きな要因なので、税制においても、都市の農地は命の空間であるということで、都市農地独自の役割を踏まえ、都市農業を続けていけるように、相続税の扱いなど関連する法規を、ぜひ国会で基本法を作っていただいて、みどりの空間を維持できるように変えていくということの取り組みを各区と協力してやっていきたいと考えています。

 次に、待機児対策について、「世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例の一部を改正する条例(素案)について」です。
 過去最高884人ということで、区民の皆さんには保育園が足りないということで大変申し訳ないと思っていますが、定員を1,550人拡大していこうということで総力を挙げて取り組んでいるところです。このことと関係して、民間マンションを建設する際に、保育所の設置を誘導していくという条例について発表させていただきます。

現在の「世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例」を改正して盛り込む内容は、40平方メートル以上の住戸が50以上ある集合住宅、及び、延べ面積5000平方メートル以上の集合住宅の建設に関して、保育施設整備について区と事前協議を行っていただきたいということを義務付けるものです。これまでも実は戸数300以上の大規模マンションの建設に関しては、要綱に基づく協議をさせていただき、保育施設を併設して整備していただいたケースもあります。その結果、保育所があるということが、マンションのセールスをしていく際のポイントになったということもあったという話も聞いております。待機児童数の高止まりということにならないように、建物のところからも、保育のキャパシティを広げていくということを効果的に拡大していくために、11月に行われる第4回定例会に条例提案をし、来年3月から適用することを考えております。
 今回、条例に基づく制度としたこと、また、対象を戸数50以上の集合住宅に拡大したことにより、マンション併設型の保育施設の整備をより積極的に誘導していきたいと考えています。

  次にコミュニティの問題です。「(仮称)世田谷区町会・自治会への加入促進及び地域社会の活性化を進める条例(素案)について」です。
 東日本大震災を経て、私も車座集会等で区民の皆さんと直接お声を聞く機会を多数持ってきました。災害に対する備え、いざというときにどうなるのかということは皆さんの大変大きな関心事であります。現在、世田谷区内では196の町会・自治会があります。地縁に基づき区内全域を面としてカバーしている唯一の団体であり、これまでも、地域の様々な課題を区と連携しながら公共的な役割を果たしてきました。しかしながら、高齢化傾向などもあり、現在の加入率は、全世帯の57%となっています。より多くの方に、町会・自治会に参加していただくことで活動が活発になり、若い世代の方が加入し,地域社会づくりに取り組んでいくと、町会・自治会だけでなくて、NPO、PTA、商店街、様々な個人、グループなど、地域で活動するあらゆる皆さんが、この地域づくり、特に災害対策を念頭にした地域づくりに、より活発に動ける状況を作っていきたいというのが主旨です。もちろん、町会・自治体の加入は区民の自主性に基づくものでありますが、現在の町会・自治会の加入率が延びていないということを受け、地域の活性化だけではなく、災害に強いまちを底上げしていこうという支援をしていく内容の条例であります。

 いくつかご案内をさせていただきます。
 オリンピックもまもなく開催地決定という大きな山を迎えますが、世田谷区でも「スポーツ祭2013」が開催されます。東京では54年ぶりでこの国体と同時に東京では初めての第13回・全国障害者スポーツ大会が開催されます。
 区内では、区立総合運動場や駒沢オリンピック公園を会場として、国民体育大会のテニス・ソフトテニスの競技が行われます。全国のトップクラスなので、大変盛り上がるのではないかということで、準備に万全を尽くしたいと考えています。また駒沢オリンピック公園を会場として、全国障害者スポーツ大会のうち、卓球・サウンドテーブルテニス、フライングディスクが行われます。このサウンドテーブルテニスをプレ大会で観に行ったのですが、アイマスクをして視覚障害者の方たちが卓球の玉の中に入っている金属の音を聞き分けて、瞬間的にその位置を把握して打ち返すという大変スピード感のある競技であります。
 また、フライングディスクも大変多くの選手がいて、障害者スポーツをしっかり持ち上げていく大会として重要だと思います。

 続いて、世田谷ナンバーが8月2日の記者会見でお伝えしたように決定しました。国土交通省のプレゼンテーションで説明しましたが、早速、セーフティドライブ、安全運転への誘導ということで、昨日、各警察署の交通課や交通安全協会会長にお越しいただいて、世田谷ナンバーの導入に当たり、セーフティドライブ、安全運転の普及に為に何ができるのかという意見交換をしたところです。来年の自治体の導入期に向けて、準備を重ねていきたいと考えています。また世田谷ナンバーが導入された場合、行政が考えている以外にも区民の方や民間事業者の方から様々な活用策を募集します。これから皆さんの声を聞いていきたいと考えています。9月15日発行の区の広報紙「区のおしらせ」で世田谷ナンバー活用策の募集をする予定です。

 若年性認知症のパンフレットについてです。
 認知症の中でも、比較的若いうちに発症する若年性認知症については、ご本人にもご家族の方にも、十分な情報がなくて大変戸惑った、非常に困っているというケースが多々あります。働き手の方が若年性認知症となられた場合には、傷病手当金などの手続きや雇用保険の手続き、住宅ローン・生命保険に関する情報、などいわば色々とやれることをしっかり分かっていただこうという意味でも、様々な情報をパンフレットの中にまとめています。このようなパンフレットを作り、取り組みを始めているということを紹介していただければと思います。

 最後になりますが、「宮沢賢治“詩と絵の宇宙・雨ニモマケズの心”展」が世田谷文学館で現在開催中であります。9月16日までの開催なので、まだ少し期日があります。宮沢賢治没後80周年にあたり、『銀河鉄道の夜』など宮沢賢治の原作による絵本や、幻想的な挿絵の原画など大変貴重な資料が展示されていますので、ぜひご覧いただければと思います。

 私からの発表は以上です。



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