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「政権交代」は、日本における「ベルリンの壁の崩壊」で長らくこの国を支配してきた自民党一党支配(後半は連立政治だったとはいえ)が終焉し、新しい時代が始まるという期待感がわずか1年前には強くあった。臨時国会では補正予算審議が行なわれているが、かつての野党の気迫が自民党にないのは当然だとしても、議会全体の「地盤沈下」が起きていないだろうか。

 政治は言葉で語られる。その言葉が、信頼を損ない、聞く耳を失えば、政治家は足場を失う。私は、「マニフェスト信仰」はいかがわしいと思っていた。ただ、「国民との約束」がたびたび変更されたり、また説明なしに撤回されるようになれば、次の選挙では誰も受け取らなくなる。私は、今回の「八ッ場ダム建設中止に言及せず」という馬淵国土交通大臣の発言は、「政権交代のかすかな希望」の失墜に値すると受け止めている。

「八ッ場ダムは無駄な公共事業のシンボル」と呼ばれてきた。だからこそ、「建設中止」を正面から打ち出したのではなかったかと思う。
半世紀にわたり国家の名で地域住民を踏みつぶしながら押さえつけてきた「ダム建設事業」から撤退は、そう簡単なことではないことは当初から判っていたはずだ。

 だが、「建設中止」のアドバルーンがあがっただけで、具体的な生活再建の道筋は描かれないし、ダム建設中止後の地域振興を可能とする立法作業もなぜか「棚上げ」されたままになっている。この状態で、犠牲にさらされているのは地域住民と納税者の私たちだ。

 いよいよ、八ッ場ダム映像ドキュメントの制作は明日終了する。ぜひ、一本でも多くの人に見てほしいし、買ってほしい。 






 

 


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