TOP PAGE BLOG ENGLISH CONTACT




 

原発・エネルギー問題の出口を探りながら

  • 文 保坂展人
  • 2013年12月25日

写真:三浦太陽光発電事業 完成イメージ図(世田谷区提供)

三浦太陽光発電事業 完成イメージ図(世田谷区提供)

 

太陽光関連事業の発展や消費者の関心を高めるために成果を残した事業や人を表彰する「第2回ソーラーアワード」の表彰式が12日に行なわれ、コミュニティパワー部門で受賞しました。

「ソーラーアワード」は、3・11の東日本大震災・大津波を機にクローズアップされた日本のエネルギー問題について、自然エネルギーの普及・啓蒙につとめ、日本におけるソーラー発電、および自然エネルギー業界の盛り上がりを目指して設けられたものです。

 そのなかで、世田谷区長として「せたがやソーラーさんさん事業」を立ち上げたほか、神奈川県三浦市に太陽光発電所を建設するなど、自然エネルギーの普及につとめた、との評価をいただきました。

 このほかにも、電力の利用者として「電力自由化」を求めるシンポジウムや、自治体と企業の交流機会の提供、またデンマーク・ロラン島への視察、さらに再生可能エネルギーを利用して電気分解した水素を活用した実証実験など、さまざまな取り組みを重ねてきました。

このコラムでも、とくにエネルギー問題については折に触れて書いてきました。

 もっとも大きな反響を呼んだのは、「東京電力をやめて年間約6千万円の節約」(3月9日)という記事でした。世田谷区の163施設で、東京電力の代わりにPPS(新電力=特定規模電気事業者)から購入することで、2013年度に電気代が6650万円削減できたことを紹介したものでした。反響は瞬く間に広がり、facebookの「おおすめ(いいね)」が最後には「1・3万」にまでなりました。

また、「『夢物語』でないエネルギーシフト(2月19日)、「『電力の共同購入』という潜在的市場」(3月19日)、「世田谷電力設立でエネルギー革命」(4月9日)など、具体的な事例に基づいたエネルギーシフトの道筋を示したところ、よく読まれたようです。

 この夏に視察に訪れた、自然エネルギー先進地であるデンマーク・ロラン島についても、さまざまな視点から紹介しました。「『自然エネルギー』で収益を生む風車の島」(5月28日)、「『屋根』と『友達』が自然エネルギーの鍵」(6月4日)、「風力を半分に 藻の活用や『糞尿発電所』も」(8月27日)、「水素が救世主に 自然エネルギー政策に光」(9月3日)など、自然エネルギーの活用を机上の空論ではなく、目に見える未来の姿として伝えてきました。

 このほかに、きわめて反響が大きかったのが原発をめぐる記事でした。「『原発再稼働』の倫理を問う新潟県知事の覚悟」(7月9日)、「小泉元首相発言を『原発ゼロ』の追い風に」(9月17日)、「消えた『原発ゼロ』 むしろ『重要電源』に」(12月17日)などを通じて、脱原発政策の転換に対する市民の関心の高さを感じました。

 1年間をふりかえると、螺旋(らせん)階段をのぼるようにして、エネルギー転換の技術的・制度的可能性を探ってきた歩みがあります。その多くが近い将来に向けた仕込みの作業でもありました。そのひとつひとつのプロジェクトが動き出す日をたぐりよせていきたいものです。

「原発・エネルギー問題の出口を探りながら」(「太陽のまちから」2013年12月25日) 

 

 

 



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 消えた「原発... 東電より2.5... »