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先週、11月28日に衆議院外務委員会でこの春から調査してきた「国連広報センター(UNIC東京)」についての質疑を行った。たった10分間だったが、河野太郎外務委員長が、よく裁いてくれたので委員会に向けて外務省は調査報告をしなければならないことになった。今日は、麻生総理との論戦を終えたところだが、「経済」には関心があっても「雇用」には関心がない本質がよく出てきたと感じる。

『11月28日 衆議院外務委員会』

保坂委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、外務省の公金支出のあり方について聞いていきたいと思います。

 中曽根大臣に、お手元に新聞の記事が行っているかと思いますが、これは、十一月七日に会計検査院が発表した決算検査報告の中で、いわゆる自治体の裏金ですね、預けなどの手口で業者に預けていた、こういうことが問題になりました。

 ただ、この中で、外務省にも拠出金放置、これは見て驚くんですが、カンボジア基金などはもう八年前から閉鎖をされていた、外務省は閉鎖されていることも把握していなかった。これは、十基金で三億五千万円が残余金、つまり、日本政府としては返還を求めるべきお金だということを検査院から指摘をされています。

 まず、検査院にお聞きしますが、基金の残余金、この放置のどこが問題だということでこの指摘をしたんでしょうか、簡潔にお願いします。

○諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 本件は、合計三億九千七百五十一万円の拠出残余金額が判明いたしました八つの信託基金を含めまして合計十の信託基金について、その拠出残余金の返還受け入れが、国連からの返還等に関する照会文書等を長期にわたり回答しないままにしていたなどのため、早期に行われていない事態を指摘いたしましたところ、改善の処置が講じられたものとして報告させていただいたものでございます。

○保坂委員 大臣、これは、裏金というよりは忘れ金といいますか、国連の方から日本政府に戻しますよと照会して、外務省は受け取るんだけれども、だれも対処しない、国連代表部に通知して、そこでまた忘れたり、何かひどい形になっているなと思います。

 検査院の資料では国連が算定中のものもあるんですが、現在のところ、この新聞報道の三億五千万余りが残余金だということでよろしいのでしょうか。大臣、お願いします。

○中曽根国務大臣 先ほどからお話があります、国際機関の信託基金の閉鎖に伴う拠出残余金につきましては、会計検査院の平成十九年度決算検査報告において指摘されたとおりでございます。そこで、報告で指摘されました十の信託基金すべてにつきまして、国庫返納または他の基金への振りかえに関する手続を行っているわけでありまして、一部は既に完了しております。

 外務省といたしましては、このような事態が二度と生じることのないように、拠出の残余金の返還に関する事務手続などをガイドラインとして明確に定めまして、そして、外務本省内のみならず全在外公館に周知徹底を行いました。私からも、事務当局に対しまして、このような事態が発生したことは大変遺憾である、再発防止を徹底するよう注意喚起を行ったところでございます。

 残余金の額など詳細につきましては、政府参考人より答えさせていただきます。

○梅本政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十九年度決算検査報告におきまして、国連が算定中というふうになっておりました東ティモールの平和的解決のための信託基金の残余分につきましては、約三百六十万ドルということがその後判明しております。また、ボスニア・ヘルツェゴビナ警察支援プログラム信託基金の残余金が利子収入により約六万ドル増加したということも判明しております。

 その結果、現在までに確定している拠出残余金総額は約七百二十三万ドル、円貨にして約八億一千六万円ということでございます。

○保坂委員 ちょっときのう聞いただけで、三億五千万円が今、もう八億円に膨れ上がっている。

 委員長にちょっとお願いしたいんですが、一つ一つどうしてこれが、これからちゃんとやるというのはいいんですよ、そうやっていただければ。ただ、なぜこれだけの基金が国連から照会があってもすべてが棚上げになってきたのか、この経過をしっかり委員会あてに出していただきたい。どうもお金の感覚が非常にずさんきわまりないと思いますので、委員長、いかがでしょうか。

○河野委員長 それでは、外務省、それぞれの経過について理事会に御報告いただきます。

○梅本政府参考人 申し上げます。

 時間の制約がございますので、詳しい報告はまた別途必要に応じてさせていただきます。

 十信託基金のうち、ボスニア・ヘルツェゴビナ警察支援プログラム信託基金、東ティモール暫定行政機構信託基金、国際支援検証委員会活動のための信託基金及びサラエボの基本的サービス復旧のための信託基金の四信託基金につきましては、平成十六年から十七年にかけて、それぞれ国連から拠出残余金の通知がございました。

 これに対して、会計検査院から御指摘がありましたように、処理をするものをきちんと定めていないというようなことによりまして、拠出残余金の返還等について対応するための具体的な事務手続が定められていなかったということにより処理に時間を要したということがございます。

 また、緊急人道支援の啓発信託基金、カンボジア信託基金、複合緊急事態における人道的挑戦信託基金及び中東湾岸危機信託基金の四信託基金につきましては、本年六月から七月にかけて、それぞれ国連から拠出残余金の通知がございましたが、会計検査院の実地検査が行われたということもございましたので、拠出金の処理についての議論の方向性が定まるまで残余金の処分の判断を差し控えていたということがございましたが、最終的に国連への回答を本年十月に行ったということでございます。

○河野委員長 詳細については、理事会に文書で報告をいただきます。

○保坂委員 メーンの質問をする時間がなくなってしまうので、きっちり理事会に出していただきたいと思います。

 この間、幸田シャーミンさんのパワハラ問題で話題を呼んでいた国連広報センター、UNICの問題について質問をしてきました。

 これは八月十八日に国連総会に国連の監査室が、これは大変問題だったという、二枚目の資料につけておりますけれども、認証担当官や承認担当官が承知の上で虚偽の請求書を用いて支出として記録し前払いを認めていた、二〇〇〇年から二〇〇六年の間によく行われた慣行を発見した、職員らは年末に資金を十分使い切るために取引業者に前払いをしていたことを認めた、これは国連の財政規則、規定違反である、また、前払いした取引業者が破産申告したことから、国連にとっても損失になり得るものであると。この国連にとっても損失になり得るものであるという部分について、これは政府はきちっと認識をして、国連の機関の問題でありますが、結局日本政府が出しているお金の行方という問題です。

 時間がないので、もう一点、審議官に答弁をしてもらいたいんですが、実は、私が質問主意書を六回ほど出しています、この問題で。

 九月二十五日に提出した主意書の答弁書で、政府は、国連に照会した結果、国連事務局からUNIC東京は五百万円の定期預金を有しているが、どのような経緯で、定期預金が形成されたのかは不明だ、こういう回答をしているんですね、回答を得たと。

 私の質問は、要するに、予算使い切りの官公庁で、UNIC東京、政府は毎年出しているわけですね、こういうところで五百万円の定期預金ができてしまう。これはやはり裏金と疑うのが相当だろう。日本政府は、国連の機関のことではあるけれども、日本国の税金が定期預金として五百万形成されていたのかどうか、この事実関係を、どうなっているのとしっかり聞きなさいという質問なんですね。ところが、外務省は一切聞こうとしないんです。

 要するに、UNIC東京が、これはわかりません、五百万円の定期預金はあります、これだけ答えているわけです。UNIC東京が五百万円の定期預金はありますと答えたという答弁しか答弁書に返ってきていないわけですね。これはいかがなものかと思うんですよね。

 本来は、これは調査をし、日本政府から出た拠出金がいろいろ余って積もって五百万円になっているのであれば、国連を通して返還請求をしたらいいじゃないですか、こんなものは。そういうことはできないのか。

 それから最近、このお金は国連の所蔵の美術巡回展に使ってしまえ、こういう提案をしたという話があるんですね。では、これは隠ぺいなのかなと。そしてまたさらには、これまでのUNIC東京の口座は、この月末シティバンクに移動される、こういう話もあるわけです、シティバンクは今このような状態であるときに。

 ちゃんとお金の行方について、日本政府が出しているものはしっかり調べて、変なことになっていないかどうか、国連の機関であっても外務省はしっかりやってほしい。いかがですか。

○梅本政府参考人 お答え申し上げます。

 UNIC東京、国連広報センターでございますが、この五百万円の定期預金については、質問主意書でお答えしたとおりでございまして、国連側に照会をした結果、右定期預金が形成された、どういう経緯でそういうものが形成されたのかよくわからないという回答があったことは事実でございます。

 私どもとしては、もちろんこれは国連の中の経理処理の問題でございますが、御指摘のように、我が国が拠出をしたお金が使われているということでございますので、我が国の拠出金が適切に執行されるよう、是正されるべき点は是正されるようにということで、国連事務局側とはこれまでも密接に連絡をとり働きかけをしてきておりますけれども、さらに万全を期して、密接に連絡をとって働きかけていきたいというふうに考えております。

○保坂委員 質問したことにちゃんと答えてくださいよ。

 美術展でこのお金を使ってしまおうよということを日本政府は提案していないですか。していないというんだったら、ここで明確に否定してください。

 それからもう一点、シティバンクに移すという情報は本当ですか。

○梅本政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のございました美術巡回展ということでございますが、そのために東京国連広報センターが保有しております五百万円の定期預金を使うことについて外務省が提案したということは全くございません。

 それから、銀行口座につきましては、私ども詳細を承知しておりません。

○保坂委員 大臣、実は、きょうは本当に短い時間なので全部は聞けていないんですが、国連に私たちの国のお金を預けるというと、国際機関ですからみんな国民も信用しているわけですが、それはやはり会計ルールがあるわけです。日本政府のお金が出ているわけですから、そこが余っているのであればしっかり返してもらうということを、このUNIC東京問題でもしっかり調査してもらえないですか。その答弁だけ求めて、終わりたいと思います。




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