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 元外務省のレバノン大使だった天木直人さんが、今度の総選挙に小泉総理の地元小選挙区に無所属で単身挑むことになった。すでに同選挙区では、民主党の斉藤つよし参議院議員が立候補を予定しているが、「郵政民営化に賛成か反対か」というまやかしを総理の地元で打ち破る天木氏の「論戦」に期待したい。

 天木氏は、外務省でアフリカ第2課長、内閣安全保障室審議官をへて駐レバノン特命全権大使となった。大使在任中に、日本が米英の始めようとしているイラク戦争に加担することがいかに危険かを本省・官邸に強く伝えた。私も天木氏の話を聞いたことがあるが、小泉総理は一顧だにしなかったという。

 日本がこれまで中東諸国で得てきた友好感情を大切にし、イラク戦争を始めた米英と一線を引くことが日本外交にとって大切だと力説した天野氏は、北米局を中心としたアメリカ追随組が主流の外務省によって大使を解任され、職を辞した。

「郵政」「構造改革」の掛け声に隠れて、日本が海上でアフガニスタン攻撃支援を続け、イラク自衛隊派遣を継続していることが総選挙前の議論で大きなテーマになっていない。天木氏は「イラク自衛隊即時撤退」を正面から掲げて、小泉総理の地元で捨て身の問題提起を行う。

「今回の選挙は単純なんです。郵政民営化とは関係のないイラク問題は論戦する必要はありません」と総理は逃げるのだろうか。イラクでの自衛隊派遣同様に、庶民の虎の子の財産である郵便貯金・簡易保険の市場開放圧力を強めるアメリカの意向のままにふるまっている姿が、天木氏の挑戦によって浮き彫りになるのではないか。

 イラクだけではない。アジアでの孤立と「靖国」に拘泥する無方針ぶりは、日本を混迷の淵へとひきずりこんでいる。天木氏が蛮勇をふるって立ち上がったことに心から敬意を払い、また拍手を送りたい。


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