核戦争によって壊滅的な打撃を受けた日本。HAVIというウィルスによって人類は不老不死という夢を手に入れる。しかし、HAVI導入によって新陳代謝が行われなくなった現状から、百年法と通称される生存制限法が施行されようとしていた……
SFというより、これは政治劇でしょう。生存制限、つまり百年たったら死ななければならないという、自らにマイナスとなる法律を導入させることができるのか。つまり既得権益にがんじがらめになった日本は変わらなければならないのではないか、というマニフェストのような。
しかしマニフェストとして、百年法はかなり出来が悪く(ネーミングのセンスだけはすばらしいが)、どうにも説得力に欠ける。老いを知ることこそ自然だとHAVIを拒否する後半の主人公も不自然だし。
ただ、若いことが美徳だとする日本において、HAVIが反逆を始める展開は(予想はつくとはいえ)なかなか読ませる。いま目の前にHAVIがあったら………………53才なんかになる前ならねえ(笑)
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