The Lord of the Rings: The Return of the King
とにかく3時間半という長さを感じさせないだけでもたいしたものだ。2作目の「二つの塔」の永遠に続くかと思われた戦闘シーンに疲れ果て、それ以上に絶望的な闘いのこの作品がなぜ退屈しなかったかといえば、今度は旅の仲間たちのストーリーが有機的につながっているから。編集がうまいせいもあって、ちょっと飽きたなあ、と思う寸前に別の挿話にジャンプする構成がいい。死者の兵が城に襲いかかるCGや、変な象に飛び乗ったオーランド・ブルームが敵をなぎ払う往年のハリウッドスタイルのアクションなど、みごとなものだ。
でもただひとつ、ホビット族の小ささだけはこのシリーズ、うまく表現できなかったなあ。そのホビットのイライジャ・ウッドがこのシリーズではまったく人気が出なかったらしいのだが、そりゃそうだよな。特に今回はずーっとジャンキーの演技しかしていないし。ガンダルフを演じたイアン・マッケランが壮絶な同性愛者なので、からみのシーンでは別の意味でどきどきした(笑)。
原作を読んでいないせいもあって、苦いラストには本当に驚いた。逆に能天気な大団円にしていたら、心に残ることもないビッグバジェット映画として記憶することになったかも知れないけれど。
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