事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

バンクーバー2010 その7~大本営発表

2010-03-06 | インポート

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 女子フィギュア、ショートプログラム終了時点で1位キム・ヨナと2位の浅田真央の差は5点弱。もちろん逆転可能な点数ではあるものの、かなり厳しい数字なことは素人目にも歴然。でも翌日のスポーツ紙は「浅田が逆転できるこれだけの理由」と特集を組み、読者を煽りまくった。

 事情はわかる。男子フィギュアとスピードスケート500mでメダルをとっているからまだしも、チーム青森(じゃなかった。クリスタルジャパンでしたっけか)は予選を通過できず、まさかパシュートが金メダルまで2/100秒なんて記録を出すとは思っていなかったわけだから、“バンクーバーで商売ができるのは女子フィギュアだけ”だったし。

 受け取る側の国民は計算どおり熱狂した。わたしだって食い入るように見た。視聴率なんと36.3%!平日の昼間だぞおい。他人のことは言えないけど。

 あのとき、キム・ヨナが完璧な演技を見せ、浅田がミスをしたからまだ幸いだった。これが拮抗していたら、さぞや“フィギュアの採点は公平公正なのか”という論議がまきおこり……またしてもスポーツ新聞はおいしい思いをしただろう。トリプルアクセルの価値をめぐって、ショートプログラムのときですら大騒ぎだったのだし。まさか2ちゃんねるがつながりにくくなるほどだったとは知らなかったが。

 もう、こんな大本営発表みたいな報道はやめにした方がいい。情緒的なアナウンスで視聴者を鼓舞し、「感動をありがとう」と本末転倒なコメントを集めることにどれだけの値打ちがあるだろう。もちろん中継への熱狂がそのスポーツの振興に役立つ側面はある。でも、わずか4年に一度の祝祭で?わたしたち日本人ほど忘れっぽい民族もないというのに?

 ただ、今回は解説者たちが冷静だったのは収穫。特にカーリングの小林さん人気は、“いつもは冷静な人が急に興奮する”あたりにあったことを、日本のマスコミはかみしめる必要がある。のべつまくなしに絶叫して煽っているようでは……サッカーW杯はベスト4が目標?あたたたたた。

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