事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

刑事コロンボを全部観る~Vol.15「溶ける糸」

2010-03-07 | テレビ番組

Startrekspock22 Vol.14「偶像のレクイエム」はこちら

 原題は「A Stitch in Crime」。このスティッチはジーンズとかの縫い目じゃなくて、手術の縫合跡をさす。悪徳外科医が、研究の成果を独り占めしようとパートナーである博士の心臓手術に使った糸は……。看護師(アン・フランシス)が不審に思ったことを察した外科医は、そのために第二、第三の殺人を。つまり、犯罪を隠蔽しようと画策する外科医の“取り繕い”とのダブル・ミーニングになっているわけ。

 犯罪の舞台は大病院。精神科医が犯人だった初回の「殺人処方箋」はあったけれど、シリーズにおいて初の本格医療ミステリ。なんつっても大病院はネタの宝庫ですから。今回のキーポイントは、犯人がひたすら冷静な人物であること。障害物を次々に葬っていくやり方は、日々命をあつかう商売ゆえなのか。どう考えてもこいつは前にもなんかやってます(笑)。

 この、冷酷無比な犯人に立ち向かうべくやってくるコロンボだけど、史上最低のコンディションで登場。睡眠不足のためにまわりに「コーヒーない?コーヒー」とリクエストするも(大病院のくせに)ないものだから、おかげで看護師を撲殺した凶器でゆで卵を割るという、シリーズのなかでも屈指の名場面を見せてくれます。

 さて、この冷静な外科医をやってるのが「スタートレック」の、というかわたしの世代には「宇宙大作戦」のミスター・スポックで有名なレオナード・ニモイ。あのまんまの役じゃん。宇宙人的なまでに冷静で、同僚の看護師が殺されたことを電話で聞かされたときも時計の分針を修正している。ここをコロンボに見られてしまったことが運の尽き。

 血が嫌いなものだから手術を見ていられなかったコロンボは、犯罪の残虐性に怒りを見せてラストで手術室にのりこんでくる。激昂したコロンボに、外科医は一度だけ興奮してみせる。それはなぜか。このオチはなかなか。

死の方程式」でもセクシーな秘書役だったアン・フランシスが今回もすてき。彼女は「禁断の惑星」のヒロインだったし、今回は「禁断の惑星」VS「スタートレック」の対決だったわけね。

Vol.16「断たれた音」につづく

Annefrancis02

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