「新宿鮫」の魅力が、徹底した取材による(「ラジオライフ」誌を読みこんで警察無線を研究した結果も含む)警察内部の詳細であることは否定できない。
老練な刑事が嗅覚をはたらかせて事件を解決するのも警察なら、権力闘争に明け暮れ、同期の失点を待ち望んでいるのもまた警察の実情なのだと教えてくれる。
ちなみに一度だけ鮫島役に真田広之を配して映画化もされたんだけど(失敗作です。晶は田中美奈子が演じました。はは)、どんな格闘シーンよりも印象深かったのは鮫島の使う特殊警棒の一閃だった。拳銃や手錠だけが警官の装備かと思っていたら、とんでもない武器も彼らは用意しているのだった。
また、舘ひろしでテレビドラマ化もされていて(こちらの晶は島谷ひとみ。わりとよかったです)、隠語の数々が字幕付で解説されていたのには笑った。ディテールにこだわった姿勢こそ新宿鮫最大のポイントであることを、NHKはよくわかっていたのだと思う。
その、警察が使う隠語をいくつか紹介しよう。
にんちゃく……人相と着衣
ビラ……逮捕状 タレ……被害届 マルガイ……被害者。あまり“ガイシャ”は使われないそうだ。 マグロ……轢死体 レンコン……回転式拳銃(そのルックスからだろう) ハム……公安(公の字を分解した) あかいぬ、あかねこ……放火 マルジー……暴力団 ベントウ……執行猶予 ゲソ……足痕跡 くつがさね……不倫。男の靴を重ねることから。 L2(エルツー)……運転免許行政処分歴照会 カクヒ……最上級機密(マル秘の上をいく) 金バッヂ……国会議員 白バッヂ……検事 マンジュウ……死体 ラジオ……無銭飲食(←無線)
んもう隠語の多さといったら学校どころの話ではない。しかもなんか陰惨。まあ、一般の人にすぐ理解してほしくない、というのもわからないではない。
しかしやっぱり隠語の多い業界というのは病んでます。調子こいて警官の前で使わないようにしましょうね。警官が使うということは、そのまま常習的犯罪者も使う傾向があるってことだから。
次回は「隠蔽捜査」
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