ああレンタルDVD屋に行っても食指が動く作品はあまりない。とすれば、むかし観た映画をもう一度観ればいいんじゃないの?それなら驚きはないかわりにハズレもないだろうし。
ということで「ラストサムライ」。トム・クルーズ演ずるアメリカ人オールグレンが、軍事顧問として明治日本にやってきて……なお話。
この作品が歴史に残るのは、渡辺謙という存在を、ハリウッドに、そして世界に知らしめたことだ。おそらくは西郷隆盛がモデルとなっているカツモトを、時にユーモアをまじえながら、貫禄たっぷりに渡辺は演じてみせた。
それだけではなく、いま見直したからこそ味わえる魅力がこの映画にはたっぷりとつまっている。
まず、子役が池松壮亮なのがうれしい。彼は先日、来日したトム・クルーズと旧交を温め合っていた。いいツーショットだったなあ。池松がほとんど顔が変わっていないのもいい。
そして今や「SHOGUN」で飛ぶ鳥を落とす勢いの真田広之が、キレキレのアクションを見せてくれる。斬られ役専門だった福本清三さんは、この作品でほとんど初めてセリフを与えられ、しかし2020年に亡くなっている。
最後の侍であるオールグレンとカツモトと対比させる意味で、農民たちを近代軍にしたてようとするオオムラを、これ以降も映画監督として活躍する原田眞人の役は大きい。彼は日本版の演出も担当している。キューブリックの「フルメタル・ジャケット」の字幕も担当した人だから適役。
それより、怒られそうだがトムも小雪も現在よりはるかに若く、(くどいようだけれども今も魅力的なのだが)とても美しい。もう一度観て、本当によかった。
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