事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

またSCOOP!

2016-10-13 | 邦画

PART1はこちら

さて「SCOOP!」。いきなり女性のあえぎ声でスタート。パパラッチの福山雅治が、張り込みのあいだに自分のクルマ(ある理由でベンツのSUVです)に女をひっぱりこんで後ろからファック中。明らかに大根監督の、

“いつもの福山雅治を期待してもらっちゃ困る”

宣言だ。それでもかっこ良すぎるのが困ったものなんですけどね。

写真週刊誌の副編集長である吉田羊(近ごろこの人が出ていない作品の方がめずらしい)は、一匹狼の福山に、ど新人の二階堂ふみを記者としてつける。使えないし、パパラッチを(そして福山を)軽蔑している二階堂は、しかしこの仕事に(そして福山に)次第にのめりこんでいく。

数々のスクープをものにしていく過程を描いた前半はもちろん面白い。気鋭の政治家(斎藤工が出ていない作品もめずらしくなったなあ)と巨乳のアナウンサーの不倫現場、やんちゃなアイドルたちの決定的瞬間などを、このコンビはあらゆるテクニックでものにしていく。もっとも派手なのは連続殺人犯の現場検証の場面で……

グラビア担当の副編集長を演じた滝藤賢一が、「64」のときのパターン演技とは見違えるような味をだしている。そうだよなあ、大人が泣くってのはこういうことだ。

カメラマンが主人公で、彼がピントが合わない(out of focus)写真を撮るのはどんなときか、というオチは「盗写1/250秒」(英語題名がアウト・オブ・フォーカス)で、原田芳雄がある被写体の顔にタバコの煙を漂わせたのと共通していて泣かせる。

そしてそして、この映画のリリー・フランキーはすごい。穏やかに話しているときでさえ、危ない感じがひりひり。この域までくると、福山と役をとっかえても面白いと思った。

テーマソングは「モテキ」でも使われていたTokyo No.1 Soul Setにギターで福山がからむ。大根のセンス健在。なにより「盗写1/250秒」をリメイクしようと考えた心意気がすばらしい。

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