事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アクロイド殺し」アガサ・クリスティ著

2008-01-06 | ミステリ

Ackroyd アガサ・クリスティ著 羽田詩津子訳 早川書房・クリスティ文庫(+解説:笠井潔)

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を……驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作。

 息子が中学に通うようになって、なんとあれほど本嫌いだった男が、何を思ったか中学の図書室に行ってミステリを借りてきた。

「面白そうなのがけっこうあったから。」
「へー。で、なに借りたの?」
「これこれ」おっとクリスティの名作「オリエント急行殺人事件」である。
「おー。犯人教えたいなあ、実は……」いやな親。
「え?知ってるよ。○○でしょ?」
「あれ?なんで知ってるんだ?」
「ほらー、この前BSで映画観たじゃん。」そういえば。アルバート・フィニーがポワロをやったヤツ。でも、“映画が面白かったから原作も読む”ような歳になってくれたか。
 クリスティのベスト5といえば、人によっては異論もあるだろうけれど

「オリエント急行殺人事件」Murder on the Orient Express
「そして誰もいなくなった」And Then There Were None
「スタイルズ荘の怪事件」The Mysterious Affair at Styles
「アクロイド殺し」The Murder of Roger Ackroyd
「愛国殺人」One, Two, Buckle My Shoe

だろうか。特に「アクロイド殺し」は、あることのせいでクリスティに非難が集中し、彼女が失踪事件まで起こしてしまったのは有名な話。だいたいこの作品だけは絶対に映画化が無理なわけで(あるらしいけど)、だって実は犯人は……

「お?今日も借りてきたのか。今度は誰のだ?」
「えーとね。ジョルジュ・シムノンだって。」
お前にそれは早すぎるっ!

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2 コメント

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息子さんは小説も楽しまれましたか? (みこ)
2021-08-26 20:42:20
すみません,私もベストを書きたくなっちゃいました.

現時点での私のベストは
 1.五匹の子豚(不動)
 2.そして誰もいなくなった(不動)
 3.ナイル殺人事件
 4.終わりなき夜に生まれつく
 5.ねじれた家
 ミステリの面白さを教えてくれたで賞:アクロイド殺し
 いとしのヘイスティングス賞:ゴルフ場殺人事件
 マープルものから:鏡は横にひび割れて

はやく2月にならないかなー(映画待ち・・・).
返信する
クリスティは…… (hori)
2021-08-27 21:51:01
ある理由で「パーカー・パイン」も忘れられない
んですよ。
高校の英語の課題になっちゃったので。
あれほど創元推理文庫が酒田の書店で売れたこと
ってないんじゃないかなあ(笑)
返信する

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