え、いくら平日の午前中だからといって、どうしてこんなに館内おばあちゃんだらけなの?
しかもちょっと明かせないが、ラストでこの人たちは大喜び。すっかり、金持ちの老人に取り入って後妻の座をつかみとり(男をさっさと殺すなどして)財産を吸い上げる鬼畜な“後妻業”のヒロイン、大竹しのぶに感情移入しているのだ。
週末の「さんまのまんま」(関テレ)に津川雅彦がゲストで来ていて、この映画の招待券をさんまにプレゼントしていた。
「津川さん、考えてみなはれ。前の奥さんが旦那を殺しまくる役の映画、わたし行けまっか?考えてみれば、危なかったわあ(笑)」
飲んでいた芋焼酎を噴き出した。くわえて
「笑福亭鶴瓶くんが大竹さんとベッドシーンがあるんだけど、彼は前貼りもしないで……」
「あの兄さんは見せたがりなんですっ!」
また噴いちゃったよ。27時間テレビなどで、彼の露出事件は繰り返されてますもんね。で、わたし「後妻業の女」見てみようと決心いたしました。簡単な客。
黒川博行(「破門」でわかるようにこの人は映画の撮影にくわしい。予想どおり特別出演しています)の原作「後妻業」とはちょっとトーンが違って、悪い連中が悪いなりにしぶとい。
ヒロインよりも原作ではよほど悪かった結婚相談所の経営者を演ずる豊川悦司の、頭いいんだか悪いんだかわからない風情が魅力的。
監督の鶴橋康夫は、読売テレビ時代から俳優たちに圧倒的な支持を集めていたからか、名優がたくさん出ているし、しかもみんな熱演だ。
大竹しのぶと尾野真千子の焼肉屋でのバトルなど
「あ、いま入った」
と思うようなマジパンチの応酬。水川あさみまでこんなに脱いでくれるとは……わたしも将来、後妻業のカモになる資格十分ですかね、スケベで。でも財産ないか。ああそうですか。
大竹しのぶを一種の化け物として描き、観客に爽快感を与えたのだから作品として正解。おばあちゃんたちは「刺激強かったわねー」と大喜び。
どうしてこんなにおばあちゃんたちが多かったかが外に出て判明。某地区の社会福祉協議会のバスで彼女たちは鶴岡まちキネに送迎されていたのだった。なんて話せる社会福祉協議会。おばあちゃんたちを、年寄りの男を殺しまくる映画に連れてくるとは(笑)。
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