事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「わたしの美しい庭」 凪良ゆう著 ポプラ社

2020-04-25 | 本と雑誌

酒田の図書館も遊佐の図書館も休業中。頼りになるのは本校の図書室だけだ。

流浪の月で本屋大賞。ベストセラー街道を突っ走る作者の新作。本屋大賞がらみはうちの図書館はほとんど購入するけれども、司書によれば

「あれはさすがに無理です」

なんだとか。

でもこの新作はOKなので、さっそくわたくしがチェックすることに(笑)

別れた妻と新しい夫のあいだの娘を、両親が事故で亡くなったために引き取った翻訳家。ゲイであることで家庭を失った男も子育てに参画している。この“家庭”にある事情で独身でいる39才の女性もからんで……

わたしは不幸かも知れない。
わたしはかわいそうかもしれない。
けれどわたしの中には、たった一度の雷鳴が今も響いている。
たった一度の恋が、永遠になってもいいじゃない。

人の心のうちなんてわからない。けれど、それでも、今かすかに触れたかもしれないと思える瞬間、それがあれば充分だと思える。

わたしも、いつか新しい雷鳴を誰かと聞くかもしれない。

~「あの稲妻」

言葉の選択にとてもセンスのある作家だと思った。タイトルのつけ方も周到。連作すべてが泣けるようになっている。はて、それではなぜ「流浪の月」は中学の図書館では無理なんだろう。買って読んでみようか。ああこうやってまた売れていくのね(笑)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« うまい店ピンポイント 春休... | トップ | 「嘘八百」 (2018 GAGA) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事