こんなに毎回泣かせてたのかよっ!
今さら「JIN-仁-」の1stシーズンをDVDで一気に見て、まずそのことに驚いた。村上もとかの原作マンガは未読なので、どの程度のアレンジがなされているかはわからないけれど(現代における恋人の存在はドラマオリジナルなんですって)、森下佳子の脚本がとにかく周到。タイムスリップした医師が幕末の動乱にまきこまれて……というとんでもな設定でありながら、登場人物たちが“生きている”ものだから絵空事に終わっていない。
恋人(中谷美紀)の手術に失敗し、少しニヒっちゃってる主人公南方仁(大沢たかお)。彼は優秀な医師ではあるけれども、江戸時代においては未来から来たことをのぞけば平凡な人物だ。だからこそ、狂言回しとして有効であり、超有名人たちがワサワサ登場するストーリーでも自然に受け入れられる。
坂本竜馬(内野聖陽)、勝海舟(小日向文世)、新門辰五郎(中村敦夫)、そして緒方洪庵(武田鉄矢)などが、仁の登場によって少しずつ影響を受け、また仁に影響を与える。特に、ヤマサ醤油の主人、浜口儀兵衛(石丸謙二郎)が
「あなたの器は、きっとそう大きくはない。しかし、とても美しいんでしょうなあ。それがゆえに周りの人間は、助けたい守りたいと思う。それが南方仁という器なのでしょう」
……かくしてペニシリンの量産が開始されるという展開はおみごとだ。
自らの平凡さに絶望している橘恭太郎を小出恵介が(かなり我慢したんだろう)静かに演じていい感じ。綾瀬はるかは、動きがトリッキー(物陰にかくれるときのステップとか)で、コメディエンヌとしての才能が並じゃないことがわかる。
忘れちゃいけないのが主役の大沢たかお。わたしはどうもこの人が苦手で
「どうしてそんなにダメなの?いい感じじゃない?」
と妻に指摘されても
「うーん。どうも主役の顔をしていないというか……」
でもこのドラマで見直した。しかも大学の後輩だったんじゃないか。応援するぞっ(笑)。
完結編につづく。
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