1stシーズン特集はこちら。
TBSおとくいの『映画で着地させる』という手をつかうのではないかと噂されながら、2ndシーズンは完結編としておだやかな形でオンエア。礼儀正しいドラマだったから、似合ったフィナーレだろう。
南方医師(大沢たかお)を幕末にタイムスリップさせた神の意志とはどんなものだったのか、ガイドとなる声は明らかに坂本龍馬(内野聖陽)だが、冒頭に登場した謎の患者は龍馬なのか……というような“大きな物語”はそれなりに見せる。
パラレルワールドやタイムパラドックスなどのおなじみのフレーズを、龍馬の船中“九”策によって後世におよぼした影響一発で理解させてくれたのだし。
でも、「JIN」というドラマ自体が後世に残るのは、むしろ小さなエピソードの積み重ねが上質だったからだろう。子役をつかってテンションを上げ、大人たちが耐え忍び、ここぞというタイミングであの
♪チャララ・ラ~ラ~ララ♪
というテーマ曲が重厚にながれ、視聴者の目から条件反射で涙が噴き出す。このドラマは基本的にこのくり返しなのである。
お正月に涙ぐみながらずーっとみているわたしを冷笑していた妻も、チラ見したのが例の中谷美紀の出産シーンだったので……
「毎回こうなの?」
「毎回こうなの。」
「泣けるわよねこれじゃあ」
大沢、内野、綾瀬はるかの主演トリオもいいが、またしても抑えた演技の小出恵介と、めずらしくストレートな(笑)佐藤二朗が渋い。
惜しむらくは麻生祐未(大ファンなんです!)の出番はもっと多くてもよかったんじゃないですか森下佳子(脚本)シェンシェー!