事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「バブルへGo!!」 PART4

2008-08-30 | 邦画

Cap183

PART3はこちら

ホイチョイ・プロダクションズ製作の映画は以下のとおり。
『私をスキーに連れてって』(87年)
『彼女が水着にきがえたら』(89年)
『波の数だけ抱きしめて』(91年)
『メッセンジャー』(99年)
『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』(07年)

製作年をみればおわかりのように、バブルの申し子らしく、ちょっと景気がよくなったときしか映画を撮っていない(^o^)。

『私を~』を観た某映画業界人は頭をかかえたそうだ。「ここまで無内容な映画でいいのか」と。手あかのついた言い方をすれば“若者の風俗”しか描いていないわけ。でもそれが圧倒的にうけてしまった。沖田浩之が「とりあえず」とポラロイドカメラ(時代だねぇ)を持ち出すたびに館内がわくのだ。この笑いについていけなかったわたしは当時から時代に取り残されていたのか(T_T)。

まあ、映画としての出来は『私を~』を上回るものはない。でも、俳優の選択はいつもみごとだった。角川色の強かった原田知世を引っぱり出したり(彼女が角川春樹事務所を独立する前に撮影を開始し、退社してからやっと主役が現場にやってきた)、まだメジャーになる前の織田裕二を抜擢したり。「バブルへGo!!」でも、すでに“終わった”女優かと思われていた(わたしだけですか)広末涼子をキャバクラ嬢役に使ったセンスはかえる。まあ、あまり成功はしていないけれど。

 脚本が君塚良一だから予想されたこととはいえ、ストーリーはタイムパラドックスなど無視して強引に家族の泣かせの物語に終始する。バブル崩壊を人為的なものとする設定は、泡の時代におどった連中を免罪するようで気に入らないが、野暮は言うまい。前半のかったるさにはあきれたけれど、タイムスリップしてからはなかなか。当時の六本木の風景や、ディスコ事情にくわしい人ならもっと笑えただろう。

まあ、そんなバブルと無縁なわたしでも、無名時代の飯島直子にヒロスエが「あなたは缶コーヒーのCMに出るといいわよ」とアドバイスしたり、タイムマシンが洗濯機型(当然日立製)なので入るときに水着に着がえるサービスがあり、しかもその水着に(財務省主導のプロジェクトだから)MOFと入っているあたり、笑えた。携帯電話が一般化していないものだから、当時の若者が待ち合わせのときは「駅のどっち口のどこの柱の前」と細かく指定しているのは風俗。

いちばんのギャグはラモスの登場とその結末なんだけど、これはこれから観る人のためにナイショ。「バブルの時代は楽しいけど、わたしには2007年の方が合ってる」というヒロスエのセリフに(ホイチョイの本音ではないだろうが)、実はわたしも同感だ。

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