セブンは質的には高く評価されたものの、視聴率は実はふるわなかったようで、怪獣ブームもここで終焉か、と思われていたらしい。それを“帰って来”させたのがオモチャ業界だったという事情は、その後何度も繰り返された話だろう。
1960年生まれの私にとって、ウルトラシリーズといえばやはりセブンだった。先ほども書いたように最終回には激しく心を動かされたし、音楽もスタイリッシュ(♪だばだばだ~ってやつね。11PMじゃないのよ)だった。しかも本格的なSFマインドにあふれていたので、当時の少年たちに決定的な影響を与えたはずだ。初期のシリーズをビデオで再見して、本気で大人の鑑賞に耐える出来は、実はセブンぐらい。ほとんど子どもに媚びていない姿勢が嬉しいし(だから視聴率が悪かったんだろう)、何よりもアンヌ隊員の可愛さったら!
いい歳をした中年たちが、セブンの話になると目を血走らせて語り出すのがアンヌを演じた菱見百合子→ひし美ゆり子のこと。おそらく現在の40代後半から50代の男たちの多くは、彼女に童貞切ってもらいたかったはず(笑)。私にしても「プレイガール」(東京12チャンネル)や「新仁義なき戦い/組長の首」(東映)でアダルトな演技を見せつけられた時にはちょっとショックだった。
実は私、例によって書店の外販に発注し「アンヌへの手紙」というひし美ゆり子の写真集を買っているのだが、先日息子にそれを見つかってしまい「あっ、お父さんこれウルトラ警備隊の…………あーっ!エッチな写真ものってる。おかーさーんっ!!お父さんがねぇ、エッチな」こらこらこらこらーっ!早速チクリに行くなよ。
その後このシリーズはお子さま向けの色彩が強くなり(頂点はタロウ)、「80」での復活は語るのもむなしい。だから平成になって、毎日放送がウルトラを復活させる、しかも今度は3タイプの変身が……と聞いた時は、ああまた玩具メーカー主導のお子さまドラマが始まるのか、と思っていたのに、始まったのは意外や意外、私にとってのウルトラ最高傑作「ウルトラマンティガ」だったのである。 以下次号。
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