第20回「第三の女」はこちら。
前回の視聴率は14.5%と予想に反して上昇。うーんびっくり。この作品はいわゆる大河ドラマであることを作り手の側も見る側もやめて、朝ドラ的展開の方を選択しているということだろうか。
今回も、これまでの大河っぽさからは激しく逸脱している。商談にみずからおもむく領主が、南蛮の事物に夢中になっているうちに悪ガキに財布をすられ、単身(!)ガキを追いつめるものの逆に拉致されて……
井伊谷大騒ぎ。というほどでもないことに苦笑。領主が行方不明になっているんだよ?四面楚歌の現状から考えれば、あらゆる可能性を忖度しなければならないのに家中はそこまでの覚悟はないみたい。逆に、井伊直政がいるんだから直虎はすでに使い捨てでもかまわないとでも思われているのかとまで。
もちろんそれは邪推にすぎなくて、この回は直虎に、武家とはいかに収奪するだけの存在なのかを“かしら”(柳楽優弥)に語らせ、同時にそうではない可能性を求める直虎の特異さを際立たせるための事件。無理ある(笑)
その後、井伊家は小林正樹の「切腹」で描かれたように武家の残酷さを体現するし、「花の生涯」などで井伊直弼が“体制”の象徴になることを考えれば、とても皮肉な展開。なにしろ直虎は、同じ泥棒として自らを
「卑しい」
と断ずるくらいなのだから。
今回のタイトルは、某超大ヒットアニメというよりも、数寄屋橋ですれ違う男女のドラマからいただいたと考えればよろしいのかな。なぜって最後に「。」がつかないから。そこまで朝ドラか(笑)
おてんばなお姫様大活躍の回。もう視聴率はどうなるかわかんない。いっそ15%超とギャンブル。
第22回「虎と龍」につづく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます