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今月の名言シリーズでやるには時間が空きすぎるので、単発で特集します。熊本市議の子連れ問題。
11月22日の定例会に、緒方夕佳市議が生後7カ月の赤ちゃんを連れて議場に入場。40分ほど開会が遅れ、結局は市議と子どもは退場している。
この問題が1987年のアグネス論争と相似をなしているのはお分かりのことと思う。
あ、お若い方々は知らないか。この論争は、週刊文春で林真理子が「いい加減にしてよアグネス」と、職場に子どもを連れてくるアグネス・チャンを批判したことに始まる。中野翠も、子連れの母親の“正義”をシニカルに嘆じて加勢。
そこへ飛びこんできたのが社会学者の上野千鶴子。女は横紙破りをしなければ男社会に対抗できない、と反アグネス派を圧倒した。
今回の緒方夕佳市議の行動も、一種の横紙破りだろう。強力な男社会である地方議会に一石を投じたわけだ。
アグネス論争から三十年、世の中は変わっていないと思うべきか、パフォーマンスとして子どもを議会に連れてくるまで進化したととるかは微妙。予想されたように保守派からはヤジが飛び、議会事務局はあせり、議長は丸くおさめようと……
わたしはこう思った。彼女の行動が大きく報じられたこと自体が前時代的だし、議会がむしろ範を示して授乳室を設置するぐらいできないのかと。この人たちがどんな姿勢で待機児童だの少子化だのを語っているか、一度聞いてみたいものだ。
が、まだ大問題になっただけマシなのかもしれない。
最悪なのは、議会のドンみたいなじいさんが、ニコニコ笑って
「いいじゃないか、子連れでも」
と天の声を発し、まわりがすごすごと引き下がるという水戸黄門パターン。確かに子連れが認められることはうれしいにしても、男社会をより強固にしてしまうような気がするのだ。考えすぎかなあ。
「改ざんPART1」につづく。
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